王様は言いました。

 

「なるほど、『五節』については、

よく分かった、ありがとう。

 

鍼の刺し方には、他に『五邪』というのが

あると聞いた。

これはどんなのだろうか?」

岐伯は言いました。

 

「病には、

膿の入った腫物を作る邪、

勢いが大きい邪、

力が小さい邪、

熱になる邪、

寒になる邪、があり、

これを五邪といいます。」

 

王様は言いました。

 

「その五邪を治療するには

どんな刺し方をするのだ?」

 

岐伯は言いました。

 

「五邪に対する刺し方は、

五章(五条)だけにすぎません。

 

癉熱(腸の中の水液が熱で焦げて枯れる)の病には、

熱を消滅させます。

 

腫脹や積聚は、

散らして亡くします。

 

寒痹(開いた腠理から寒邪が入って血気を凝結する)は、

温を益して行き渡らせます。

 

力が小さい邪は、

陽を補して力を益させます。

 

勢いが大きい邪は、

必ずその邪を去らせます。

 

次は、それぞれの方法を

お話させてください。」