王様は言いました。
「解惑という刺し方について、
岐伯先生は、すべての陰陽を調べて、
分かった有余と不足を補寫して、
平均にするのだと言っていたが、
惑いはどのようにして解くのだ?」
岐伯は言いました。
「中風の病で、半身不随がある人は、
血脈が偏って虚しています。
虚では血が不足して空っぽで、
実では血が有余でパンパンになっています。
そうなれば、
体のバランスは思うようにならず、
正しく立つことが出来ず、
曲がりくねり、伏せてしまいます。
方向方角も、何も分からずに、
不意に上下に行き、
不意にくりかえし、
その始まりと終わりは定まらず、
迷い惑う様子は甚だしいです。」
王様は言いました。
「なるほど、
これはどの経穴を取るのだ?」
岐伯は言いました。
「有余である所を寫し、
不足している所を補せば、
陰陽のバランスを平均にすることができます。
この鍼の刺し方を用いれば、
効果が出るのは、
惑いがある人が迷いが解けて視界が開かれるのに
かかる時間よりも早いです。」