王様は言いました。

 

「では、他に

医者が知っておくべきことを

話してくれたまえ。」

 

岐伯は言いました。

 

「四つの季節が変化し、

寒さと暑さがやってくるのには、

法則があります。

 

その法則とは、

陰が極まると必ず陽になり、

陽が極まると必ず陰になるというものです。

陰は寒であり、

陽は熱であるので、

法則に当てはめると、

冷えがひどいと熱になり、

熱がひどいと冷えになります。

このことから、

冷えは熱を生じ、

熱は冷えを生じます。

 

これが陰陽の変化の法則です。

 

このことから、

冬に寒邪が入り、発症せず極まれば、

春に癉熱の病を生じます。

 

春に風邪が入り、発症せず極まれば、

夏に飧泄腸辟の病を生じます。

 

夏に暑邪が入り、発症せず極まれば、

秋に痎瘧の病を生じます。

 

秋に湿邪が入り、発症せず極まれば、

冬に咳嗽の病を生じます。

 

これが、季節の変化で順に生じる病です。」

 

王様は、大切なことをたくさん聞けたので、

これもまた、本に書き留めて、書庫に大切にしまいました。

 

(王様と尺膚 終)

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読んでくださりありがとうございました。