このおはなしは黄帝内経霊枢より第五十八
「賊風」をもとにしています。
素問・霊枢をここまで読んできて、
まだ、病が「うつる」という表現はありません。
外から生じる病はすべて、
正しくない風が体に当たることによって起こる、
と考えられているようです。
では、それなら、
全く家の外に出ず、
窓のない、風の吹きこまない部屋で、
念のために、屏風を立てて、
そこから離れずに暮らしていれば、
病にならないのではないか。
さっそく、実験が行われました。
結果はなんと、
全く風に当たっていないにもかかわらず、
突然、病になった人がいたのです。
これを聞いた王様は、
不思議に思い、
理由を岐伯に聞きに行きました。