伯高の説得で、王様はごはんを食べ始めました。

心配していた召使いたちも、ほっとしています。

 

伯高は言いました。

 

「これで王様の体の中に天地の精気が入りました。

王様が食べた物は、まず胃に入りました。

 

次に、食べ物に含まれている精微が胃から三焦に出ます。

上焦に出た精微は衛気となり、

中焦に出た気は営気となって、

五臓に行き渡っていきます。」

 

王様は言いました。

 

「おもしろい、続きを聞きたいぞ」


伯高は言いました。

 

「三焦に出た精微のうち、

営気にも衛気にもならずに、

胸の中で、まとまったまま、進んで行かないのは、

集まって重なっているので、気海といいます。

これは宗気で、

肺から喉をめぐり、

息を吐く時に、外に出ます。

息は吐くと、次に吸うのが決まりなので、

息が吸われる時に、外の清気を取り込みます。

 

『大數』※1の本には、

食べた物は、体の中で、

気・津液・糟粕の三つに分かれると書かれています。

※2

精微は、営衛の気となって通じ、

水分は、津液となって行き渡り、

残りの糟粕は、姿を変えながら次の腑へと下がって行きます。」

 

 

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※1「常に三出でて一入る」

解説本の意見が分かれていました。

・胃に入るとき食べ物は一つだけど、三つの成分に分かれる(気・津液・糟粕)

・これは呼吸のことであり、息は吐くのが三で、吸うのが一、失う方が多い、そのためごはんを食べて補うのであり、だからごはんは一日二回食べるのです。

↓New!

勉強会で、違う解釈を聞けました!

・引書という、導引法の古典に書かれている呼吸法が、

吐き方が三種類、吸い方が一種類、これのことである。

出①吹=口をすぼめて寒い息を吐く=体内の寒邪を外に出せる

出②呴=口を開いて熱い息を吐く=体内の熱邪を外に出せる

出③呼=大きな声で叫ぶように勢いよく=居座っているものを外に出せる

入①吸=精気を体内に入れる

 

※2

つまり、解説本の一つ目の解釈を用いたのですが、

異なる成分が三つの行き先に分かれるという表現を、

おととし作った絵本「ごぞうろっぷさん」の脾のページでしてて、

その頃まだここを読んでなかったので、今回読んでびっくりしながら、

合ってた!よかった~!と思いました!