王様は言いました。

 

「おや?

食べ物には五つの味があって、

それぞれ分かれて、別々の臓に入ると聞いたぞ?

だから、五つに分かれるのではないのか?」

 

伯高は言いました。

 

「いいえ、水穀はみんな胃に入ります。

胃は五臓六腑の海であり、

五臓六腑はみんな、胃から気を受けています。」

 

王様は言いました。

 

「では五味は、どうやって五つに分かれるのだろう?」

 

伯高は言いました。

 

「五味には、それぞれ相性の良い臓があるので、

酸の味は肝へ、

苦の味は心へ、

甘の味は脾へ、

辛の味は肺へ、

鹹の味は腎へと、

走っていくのです。」