このおはなしは、黄帝内経霊枢より第五十六
「五味」をもとにしています。
王様は食べるのがすきです。
何でも食べます。
どんどん食べます。
そのためか、
最近、体が太ってきました。
このままではいけない、と思った王様は、
思いきって、ごはんを食べないことにしました。
朝から厨房係が用意したごはんが運ばれてきても、
ひと口も食べませんでした。
召使いはびっくりして、
どうか何か召し上がってくださいと言っても、
王様は食べません。
何も食べないまま、明堂に行ってしまい、
みんなは心配しながら、
お昼ごはんを用意しました。
お昼ごはんの時間になって、
部屋に戻った王様ですが、
また、食べようとしません。
心配した召使いは、
伯高先生に部屋に来てもらいました。
伯高は言いました。
「王様、ごはんは、
半日食べないと、気が衰えてしまい、
一日食べないと、気が少なくなってしまいます。
気が足りないと、人は弱ってしまいます。
必ず、食べて気を足さないといけないのです。
どうかごはんを食べてください。」