王様は言いました。
「生まれてきた赤ちゃんには、
百歳の寿命を最後まで生きられることを願うが、
実際には、人が生きる年数は
それぞれ違っていて、同じではない。
長生きする人もいるが、
若く幼い間に死んでしまう人がいる。
それに、病になっても、
あっという間に死んでしまう人もいるが、
治らないけれど患ったままで長く生きる人がいる。
これは、どういう道理なのだろうか?」
岐伯は言いました。
「五臓が堅い人は、血脈が調い、肌肉が滞りなく、皮膚が緻密で、
営衛の気が通って行くのが正常で、呼吸が落ち着いていて、
六腑が食べた物をちゃんと化され、津液が正しく行き渡るので、
長生きなのです。
五臓が堅くない人は、息がゼイゼイしてとても早く、
脈が薄く血が少なく、肌肉は実でないので、
風寒の邪気が何度も当たるうちに、血と気が虚して脈が通じなくなり、
真氣と邪気が互いに攻めて乱れ争いが続くので、
寿命の途中で命が尽きて、長寿で終われずに死ぬのです。」
王様は言いました。
「それは、人のどこかを見て
知ることができるだろうか?」
岐伯は言いました。
「鼻の穴が長く、あごが高くて四角く、顔の三停が盛り上がり、
骨が高く、肉が満ちている人は、
寿命の百歳まで生き終えられます。
人中が長くなく、鼻の穴が張っていて、顔骨が低い人は、
寿命の途中で命が尽きてしまいます。」