王様の友達に、赤ちゃんが生まれました。

会いに行った赤ちゃんは、とても小さいのに、

しっかりと、人の体が出来上がっていました。

王様は言いました。

 

「赤ちゃんは、生まれた時には、

すでに体がしっかりと出来上がっている。

つまり始まりはもっと前に在るのだろう。

人の生じる最初の始まりとはいつなのだ?」

 

岐伯は言いました。

 

「それは、性交の時です。」

 

王様は言いました。

 

「人が生じるのは、

何が土台となって、

何が囲いとなって、

何を得るから生きて、

何を失って死ぬのだろうか?」

 

岐伯は言いました。

 

「母が土台となり、

父が囲いとなり、

その中に神を得ると生きて、

神を失うと、死にます。」

 

王様は言いました。

 

「神とはなんだ?」※

 

岐伯は言いました。

「神とは、生きる人の心に宿るものです。

血と気が調和し、

営衛の気が通り、

五臓が出来上がり、

魂魄が備わって、

全部が揃ったら人となります。」

 

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※神とはなんだ?

 

①言葉で表現できない(素問26

②自然の無形の力(素問66

③性交で生じる物質(霊枢8

④心に宿るのは神気、五神のひとつ

 

②は、生命の誕生の神秘は人知を超えていて、

自然の大いなる力が及ぶのだと理解できる。

心に蔵された神は、増えたり減ったりするので、

後天の気で補われるのだと思うけど、

最初はどうやって来たのか…

 

③は、精が神になる、ということ?

精は形のある物質だから、

神も形があるということになれば、

岐伯が①で、見えない、形が無い、と言っているのと合わない。

 

④五神(魂・魄・神・意・志)は生きる力。

「神」によって人が生じ、

「魄」が精とともに先に入り、

「魂」が神についてあとに入り、

色々思うと「意」になり、

意が考えて決定したのが「志」となる。(霊枢8