今日、王様が話している相手は、
少兪先生です。
「ある友達は、
鍼を刺す治療を受けにいったら、
とても痛くてつらかったと言っていた。
他の人は痛がらずに受けていたので、
特別な鍼というわけではなさそうだ。
また、別のある人は、
昔から灸が苦手だと言っていた。
じっとしていないといけないのに、
熱くて体がとびあがってしまうそうだ。
また薬についても、おいしくはないけど、
飲めば効くと思えば飲めると思うのに、
どうしても飲めないという人がいるそうだ。」
少兪は言いました。
「たしかに、私の治療を受ける人の中にも、
すごく痛がる人が、
すごく熱がる人がいますね。」
王様は言いました。
「どうして、
鍼が痛い人と、痛くない人がいるのだろうか?
灸が熱い人と、熱くない人がいるのだろうか?
薬が飲める人と、飲めない人がいるのだろうか?
人の筋や骨には、強いと弱いがあり、
肌肉には、堅いと脆いがあり、
皮膚には、厚いと薄いがあり
腠理には、疎と密がある。
腸や胃の厚さ薄さ、堅さと脆さ、
それぞれ、人によって同じではない。
それと関係があるのだろうか?
ぜひ、くわしく聞かせてくれたまえ。」