王様は言いました。
「手の太陽小腸経の経脈は、
第五指の端に起り、手の外側をめぐり、手首に上って、尺骨遠位頭に出て、まっすぐ上り、肘骨の下のへりをめぐって、肘の内側の二本の筋肉の間に出て、上って上腕の外側の後ろのへりをめぐり、肩峰の後面に出て、肩甲骨をめぐり、肩上で交わり、缺盆から入って、心に関連し、のどをめぐって、横隔膜に下り、胃に至って、小腸にぴったりひっつく。
その支流は、
缺盆から、頚をめぐって頬に上り、目尻に至り、そこから耳の中に入る。
その支流は、
頬から別れて、下まぶたに上って、鼻に至り、目頭に至り、斜めに頬骨に関連する。
この経脈に邪気が入って脈が激しく拍動する時には、
のどが痛く、下顎中央が腫れ、後ろを振り向けない、俗にいう『肩が抜ける・肘が折れる』という症状に似ている。
この経脈は液から生じる所の、
耳が聞こえない、目が黄色い、頬が腫れる、頚・オトガイ・肩・ひじの外側後面が痛む、
といった症状を治療できる。
この経脈は寸口が人迎の二倍になると盛であり、
この経脈は寸口が人迎より小さくなると気が虚である。
手の太陽小腸経の経脈は、
これらの病になった者に治療できるのだ。」