秋は何気に静かだ。
夏のように景気よくセミが鳴くということもない。
春のように小鳥が大挙して訪れることもない。
冬のように雪を踏みしめることもない。
高い空が悠然と。
柔らかな日差しを降り注いでいる。
人々はこの静寂の中、自分の思考に入り込むことができる。
こうした自分の世界に浸ることができるからこそ、秋は芸術の秋と呼ばれるのだろうか?
深く瞑想に浸れば、遠くに車の走り抜ける音が聞こえる。
他の季節なら気がつきもしない音や。
これぞ秋のダイナミズム。
秋の夜は長い。
ここにも秋の醍醐味がある。
静かな夜を如何様に過ごそうか。
本を読むのか、何かの学習をするのか。
秋の夜長は楽しみがいっぱい。
金木星の香りが鼻をつく。
猫じゃらしも頭を垂れる。
青く若々しかった葉も紅へと変わる。
地に落ちた草木はしおれて大地の栄養となる。
静かだが、確実に冬の到来を思わせる秋。
そう、秋は冬の露払い的存在。
個性の強い冬への序章なのだ。
ふと振り返れば長い影。
その先にコスモスが咲いていることもある。
夕焼けは妙にオレンジ色を纏い、空は淡紫をもって暮れていく。
栗関係の食べ物があふれているのも秋の特徴。
モンブランなんて秋を感じさせるには一番のケーキであったりする。
年中あるケーキなんだけど。
夜の静寂を破る虫の声。
しかし、それさえも思考の妨げとはならない秋の奥深い静けさ。
虫の音も秋の風景にどっぷりと浸かる。
そして、緩やかな眠りにつくというのが秋の王道。
秋は寂しいだけじゃないんだね。
いろんな楽しみ方がある。
厳しい冬に備えて、いろいろ準備をしておかないとね。
冬物の服を買うとかね。
さあ、冬の準備はできただろうか?
厳しい冬はすぐそこ。
ほなな。