朝起きてエアコンのかかってる部屋から一歩出れば熱波。
そんな暑さも影を潜めた。
25度に設定してある部屋との温度差がない。
いや、早朝であるのなら外のほうが涼しいくらい。
エアコンなくして過ごせない夏は終わった。
また厳しい冬が来るのか。

人生はその繰り返し。
おじいちゃんおばあちゃんが暑い夏が過ぎるとポックリ逝ってしまうという話をよく聞く。
なんとなくその気持ちがわかる歳になった。
暑い夏を乗り切るには体力がいるよな。
それが過ぎてしまうと、なんとなくやりきった感がある。
そこで心に空白ができて気力が尽きてしまうんじゃないか。
うちももう2~3年したら夏を乗り切るのに体力を使い切ってしまうかもしれない。
やかましいほど景気よく鳴いていたセミの声も聞こえなくなった。
刺すような日差しもなくなった。
いくら気温30度を超そうが「暑い」とは感じない。
雲の形も穏やかになった。
夕立を呼び起こすような入道雲も消えてしまった。
空にはイワシ雲さえ見える。
お昼に道行く人の姿が多くなった。
人々はそれまでの憂さを晴らすかのように歩き回る。
蚊やハエという害虫も姿を見なくなった。
いや、そもそも猛暑で今年は蚊が少なかったのかもしれない。
あまり蚊を見ることはなかった。
そうした害虫が姿を消せば鈴虫やコオロギのような秋の虫の音が聞こえる。
地面に映る影は長くなり、日の短さを感じる。
風は穏やかに人の頬をなでる。
やがて人々はコートに身を包むようになる。
部屋にはファンヒーター。
暑かった夏が嘘のよう、吐く息さえ白くなる冬を迎える。
最近、地球温暖化という話をよく聞くようになったが。
一説によれば温暖化というより寧ろ寒冷期に入ったという学者もいる。
そう、近頃の冬の寒さは厳しい。
猛暑の後にそんなにも寒い冬が来れば、体力のないおじいちゃんおばあちゃんは天に召されてしまうのも仕方なし。
うちもなんとなく冬が来るのが憂鬱に感じるようになってしまった。
多分、うちが死ぬのはこんなような季節だろうなと予想できる。
なんだろう、この虚しさは。
あんたら、夏の終わりに悲しさを感じることってない?
それは夏休みが終わるという悲しさとは違う。
人生の残りページが少ないかもしれない、という憂鬱や。
若い時は感じなかったんだけどね。
ここ何年かその虚しさは増すばかり。
今年は特にその虚しさが大きい。
天に帰る時が来たのかもしれんな。
ほなな。








