ホリー・ジャクソン「卒業生には向かない真実」
創元推理文庫を読みました。
「自由研究には向かない殺人」
「優等生は探偵に向かない」
と続く三部作の完結編です。
前作では、ピップは眼の前で殺人を犯されます。
それがトラウマになってしまっている状態から
本作が始まります。
そしてピップはストーカーに付け狙われます。
ところがそのやり方が、過去の連続殺人の犯人と同じ。
その犯人は捕らえられ、服役中だというのに…
電子版だと上記内容は最初に出てきますので
ここに書いても構わないでしょう。
とても興味をそそられる設定です。
読ませる内容であることは間違いありません。
後半の展開は予想だにしないものです。
「ミステリ史上最も衝撃的な三部作完結!」と
売り文句が書いてあったが、確かに衝撃的。
ただ、面白いと思う人と、「何なんだこれは」と酷評
する人に別れると思います。
藤四郎は、後者。
後味が非常によくないと感じました。
前作で「正義とはなにか」というのが
ひとつのテーマとして提示されました。
当然、本作で作者の考える正義が提示されるはず、
と思って読んでました。
本作もそれを予感させるストーリーの流れでした。
これが作者の「正義」なのだろうか?
納得できないというのが、率直な読後感です。
ネタバレはしたくないので、詳細は書きません。
ミステリ好きの友人と読んで話し合ってみてください。