石原慎太郎氏が逝去されました。

作家、衆議院議員、都知事として活躍されました。
私としては都知事の印象が強烈ですね。

その中でも、新銀行東京にはそこで友人が働いていたこともあり、
注目していました。



バブル崩壊後の不況の時でした。
大手銀行は「雨が降っているときに傘を取り上げる
(=不況の時に融資を引き揚げる)」といって、石原都知事の
肝いりで設立されたのでした。

単純にいえば、設立とその後の赤字対策で都は1400億円を突っ込みました。
大赤字で民間に譲渡(きらぼし銀行になりました)しましたが、855億円が戻ってこなかった。
業務内容も、融資基準が甘く、融資を受けての計画倒産など悪い奴らに食いものにさ
れたと散々な評価でした。

なお、石原都知事らの責任だと損害賠償を求める住民訴訟もおこりましたが、
住民側が敗訴しました。

新銀行東京は石原都知事が残した最大の負の遺産だと思います。
石原氏は信念に従って、銀行を設立したのでしょう。
でも、結果的には誰の目にも失敗は明らかでした。

本当は、何がまずかったか、事実と関係者の証言をきっちり
まとめておく必要があったのではないかと思います。
当然そのような報告書があるかと思ってネット上を探したのですが
全然見当たりませんでした。

石原氏も亡くなり、事実の検証が難しくなりました。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
経験さえも整理しないというのは愚者以下なのかもしれません。