今日は虫の日です。

ちょうどアメリカから、17年ゼミが大量発生しているとのニュースが流れてきました。

 

首都ワシントンなどでの大量発生です。
前回の大発生は17年前の2004年。
ヤンキースに松井選手が在籍していたころで、
「ヤンキースの松井選手に思わぬ敵!遠征先の球場のまわりに蝉が大発生!」
なんてニュースもあったのですがご記憶でしょうか?
 
アメリカの人は、この大量発生を楽しんでいるようです。
ネット上ではそのセミを使ったクッキー、チョコ、てんぷらなどが紹介されているとのこと。
サクサクとおいしい触感で、低脂肪高タンパクだそうです。
それを見た米食品医薬品局(FDA)は、「甲殻類(エビ・カニ)アレルギーのある人は
セミ料理を食べないように」との警告を出したそうです。
 
17年ゼミはある地域で17年ごとに大量発生するもので、今年は××地区、
今年は△△地区というように発生しています。
その中でもワシントンなどの17年ゼミは、その規模が最大級で、
大都市が含まれているので注目されるのだそうです。
 
17年ゼミ、面白いですね。
当然、次のような疑問がわいてきますよね。
 
<疑問1>
日本のアブラゼミなどは地中にいるのは6、7年だそうです。
それなのに17年ゼミはなぜ17年もの長い間土の中にいるのでしょう?
 
<疑問2>
なぜ17年目ごとに大量発生?
(アブラゼミは家の近所で毎年みかけます)
 
<疑問3>
17年ゼミのほかには13年ゼミというのがいるそうです。
でも16年ゼミや15年ゼミはいません。
なぜ17年と13年なのでしょう?
 
このセミに関しては、名著があります。
吉村仁(じん)「素数ゼミの謎」文藝春秋です。
 
疑問1、疑問2にも鮮やかに答えてくれます。
答えを言ってしまえば、
疑問1は「氷河期時代に成長が遅くなったのがそのままになっている」
疑問2は「氷河期時代は数が少なかったので効率的に繁殖するため」
疑問3は「13や17の素数だと14、15、16と比較して交雑が起こりにくい」
ということですが、これだけだとよくわからないですよね。
 
ぜひ、この本を読んで心から納得してください。
帯には「子どもから大人まで楽しめる科学読みもの」とあります。
豊富なイラストで、とても読みやすいです。
そして2038年にまた、17年ゼミがニュースになった時、
ドヤ顔でこのセミのメカニズムを説明してあげてください。