カズオ・イシグロ「クララとお日さま」の第3弾です。

クララというAI(人工知能)は基本的に人間を愛していて、
人間の役に立とうとしていました。
スターウォーズのCー3POやR2-D2のように人類に仕えるパターンです。

AIと人間の関係というのは、格好のSFネタでいろいろな
パターンがあります。

① AIが人類を滅ぼそうとする。
② 人類がAIを滅ぼそうとする。
③ AIが人類から独立、逃亡、旅立ちをする。
④ AIが人類を支配する。
⑤ 人類とAIが対等な立場で共存する。
⑥ AIが人類に紛れて暮らす。
⑦ AIが人類に仕える。

「ターミネーター」は、①ですね。
②は、人類が支配されたり、攻撃されたりした結果として
そのような行動をとるということです。
ジョニー・デップ主演の「トランセンデンス」などです。
映画としてはあまりヒットしなかったですが、とても面白かったです。

⑤はコミックの「AIの遺伝子」。
AIと人間が普通に一緒に暮らしています。

映画「her/世界でひとつの彼女」、「エクスマキナ」なども
とても面白かったですが、上記のどれにあたるかは、
結末そのものですので、内緒にしておきましょう。

あ、ほかにもパターンがありました。
⑧ AIが人類の後継者となる
「タイム・シップ」というSFでは、人類は絶滅してしまいます。
AIに殺されたわけではなくて、種としての寿命だったかな?
人類の後を継いだのがAIでした。

また、ひとつのパターンとして、最初は従順だけれど、
反抗、敵対するようになるというのもあります。
典型は「2001年宇宙の旅」のHALでしょうか。

クララやクララの仲間は、永遠に従順で人類に奉仕する存在
なのでしょうか?
自我を持った存在がこのお話のラストのような扱いをいつまでも
許容してくれるとはとても思えないのですが、みなさんはどう
感じたでしょうか?