躾って何だろう

と考えた時に

この分野でだけは、人それぞれとか個性などという

都合の良い言葉で正当化してはならないと

答えが出る。

躾という言葉を嫌う人もいるけど
やはり人から大切に扱われたければ
備わってる方が断然生きやすいと思う。

そして、裕福な家庭で育ったとか、学歴とか、
両親揃ったしっかりした家庭などと無縁でありながら

きちんとした躾を受けたのだなあと思える人と遭遇すると
その日一日こちらも嬉しい気分で過ごさせてもらえる。

先日も、東京名物ボンボン人にぶつかり
突き飛ばして謝らない人達の中、フラフラになりながら

空腹で一番近いラーメン屋に入った。

理由がない限り、ラーメンを食べることはない。
嫌いじゃないけど、そばやソーメンの方が好きだから。

カウンターに座って、頼み方合ってるかな?などと
オドオドしながら
ラーメン、チャーハン、餃子の三点セットをオーダーした。

すると、隣に二十歳ぐらいの男の子が座った。

背が低くとても痩せてる。その痩せ方が
ダイエットの成果というオシャレなものじゃなくて、
明らかに複雑な環境に置かれてることを想像させる
栄養不足な体型。

加えてランニングもスニーカーも
今の日本では珍しいボロさ。

彼は一番安いラーメンを頼むと、あっという間に食べ終えて
無料の替え玉を頼んでた。

が、この男の子
背筋がピンと伸びていて、箸の持ち方もきれい。
そして、私の前のニンニクに
「失礼します。」と言って手を伸ばした。

爽やかな若者だなあ
感心して見てると、カウンターに向かって
「すみません。替え玉もう一回いいですか?」

店員も好感持ったのか「何回でもいいですよ。」

すると男の子は「ありがとうございます!」と笑顔を見せる。

何だかもう
いいもの見たわー
みたいな気持ちになって

私がオーダーしたセットの
ラーメン後に運ばれてきた手つかずの餃子とチャーハンを
「失礼だけど食べない?
ラーメンでお腹いっぱいになっちゃって。」
と差し出した。

男の子は驚き、満面の笑顔で
「いいんですか?ではお言葉に甘えていただきます!」

なんという言葉遣いの美しさ。

いそうでいない絶滅危惧人種。

うちの保育園にスカウトしたいぐらいである。

古い歌に

ボロは着てても心は錦ってあったなあ

なんて、演歌嫌いでありながら

思い浮かべて

こちらもしばしハッピーな午後でした。