訪れる分にはいいが
住むのは絶対無理という国がある。

イタリアである。

添乗中、お客様が被害に遭われる頻度は
フランスと並んで断トツ。

日々のちょっとしたことの中で
繰り返される嫌がらせは
イギリス社会ではけっして味わうことのない過酷なものである。
この間、日本人のロンドン駐在員夫婦がイタリア旅行へ出かけた時は
帰ってくるまで周りは心配したらしい。

今回、私たちの宿泊は、
北イタリア、マジョーレ湖のエレガントなホテル。
ホテルにタクシーを頼んだら、フロントが手配してくれず
向かいのタクシー会社に自分で頼めと言う。
(※一流と言われる有名ホテルにもかかわらず)

そして毎度のパターン
日本人相手の倍額ふっかけ。
おそらくフロントともグルでしょう。

こちらは、ひとこともそれについて責めずに
ただ、予算が合わないのでけっこうと断った。

普通、文明国ならここで終わるはずである。
客が断ってるのだ。
それ以上何のやり取りが必要だろう。

すると、一分後に再度メールが来た。
他のタクシー会社は、こんなにぼるぞという
同業者への中傷である。

怖いなあと思いつつ
「では友人に頼みます。ありがとう。」
とメールした。

それに対し、きたメールがこれである。

We remain. at your disposal.

覚えておくよ。好きにしろ。

マフィアではない。
一流ホテルからの紹介タクシー会社である。
イギリスでこんな目に遭ったことある方
いらっしゃいます?

イタリアでは、予算二倍のぼったくりを断るのに
これほどのストレスを要するのである。

ロンドンの私の住むエリアには
少なくないイタリア人たちが居をかまえている。
彼らは配偶者がイギリス人というわけではなく
仕事も関係ないのに
一家総出でイギリスに移住してる。


理由を聞いたら
「イタリアから逃げて来た。」
「人を信用できない。」
という表現を使う。

私は彼らを理解できる。

私のイタリア人友達は、皆、人がいい。
彼らは、自国で日々騙され続けた結果、一財産失っている。

良い人は生きづらい国のようだ。

ツアコンの中にもイタリア好きがいるけど
現地でしょっちゅう、釣りよこせなどとケンカしてる。

つくづくタフである。

平穏を求める私には絶対住めない国です。

旅行は好きだけど。