治安のいいロンドンだが、大英博物館内は
盗難多発スポット。
パリのルーブルやローマのバチカン博物館などは
安くない入場券を買ってオシゴトするドロボーで溢れているが
ロンドンはほとんどの博物館が入場フリーなのだから
彼らにとって、やらなきゃ嘘でしょの状況。

今回もお客様には入場前に忠告しておいた。
日本人の場合、有色人種に警戒する傾向にあるため
これまでの経験上、犯人の9割は白人なのだと。
その点、きつく言っておいたかいあって(?)
80才近い女性のお客様がミイラ近くで叫んだ。
「アメリさーん!この娘が私のバッグに手をいれた!」
見たら、お客様が、こぎれいなファッションの東欧系女の子の右手をつかんでる。

女の子はご丁寧に
「トッテナイ。トッテナイ。」
言い訳の日本語までマスターしてる。

お客様に代わって私が手を掴み、セキュリティを呼ぼうとしたら横から中東系男性が
「失礼、この遺跡は?」などと
しらじらしく割り込む芝居でドロボー仲間の
彼女をサポートする。
抜群のチームワークで、ここぞとばかり女の子は手を振り払って逃げてしまった。

追いかける私。

三階から一階まで

「つかまえてー!」
「彼女は泥棒!」
英語で叫びながら全速力で追いかけたが
捕まえてくれた男性の腕の中でさえ
暴れ、逃げるパワーはものすごい。

結局逃してしまい、警察協力のもと
CCTV 検証などに付き合わされたが、もう遅い。
大の男を振り払う力を持ってるのだ。
難民の生きるための力には勝てない。
このためだけに英国に入ってきたんだろうな。
断定するのもどうかと思うが、私も長く添乗している。
イタリアの警察署で身分証明の必要な入口を
顔パスで通してもらった人間である。
合法的に入ってきて悪事を働くEU出稼ぎピープルは
直感で分かってしまうのだ。
分かりたくもないが。

この永遠に続く
ツアコン v 泥棒 のバトル
正確には狙われるのはお客様なのだが、
防御策の一つとしてファスナー付きバッグよりふたつきというか
かぶせのバッグが有効です。

泥棒業界で、少しぼんやりしている認定ずみの日本人から
財布やパスポートを盗ることなど
プロのスリからすれば何でもないこと。
しかし、かぶせのバッグを開けるとなると
なかなか面倒らしく
初めから寄って来ないことが多い。
(これで盗られたらどうかしてますよ。)

自分の身は自分で守る。
楽しい旅の思い出が曇ることのないよう
それぞれ自力で努力をしてほしいものです。

私は、何度も書いてるが
バッグ、靴、洋服など
その国の物を身に付けてトラブルを避けるジンクスを大切にしてきた。

でも、時々、忘れてしまうことがある。
↓の写真は、いつものテラス観光を装った(?)ミック・ジャガー待ちの時のもの。
バッグはステラ・マッカートニーだけど
ダイアン・フォンファステンバーグのワンピースは
キャサリン妃愛用でも、実はベルギーのデザイナー。

大英博物館でアクシデントに見舞われたのは
この日の午後だったのだ。
ゾワワワワ
気づいたときは、少し寒くなった。

偶然だと思いたいが
やはりジンクスは守っていこうと
あらためて思ったのだった。




(後ろの男性も、何気にミックを待っている。)