私は、自分にとっては日本より
英国の方が便利で住みやすい国だと思っています。
日英半々の暮らしを比較する時
何がその人にとってフィットするかによって違う
と言ってきました。

しかし、日本の方の中には普遍的に定義付け
「日本の方が英国より便利な国。
暮らしやすい国。」

「日本はキッチリしていて英国はいいかげん」
と、他国を落として悦に入ってる人が思いのほか多く、
驚かされる今日この頃です。
大丈夫?日本人。


例えば、私は昨日ロンドン北部へベビーシッターに向かう途中
地下鉄が止まってしまいましたが、全く問題ありませんでした。
頻繁に起こることだけど毎度係員が速やかに代替バスへ案内してくれて目的地に難なくたどりつけるので。
井の頭線永福町駅で同様のことがあった時
駅員さんは私に歩いて行けと言い
数十名の乗客は自腹でタクシーに30分並びました。
外国人の一人は、自分の国ではこんないいかげんなことは絶対にない
と怒ってたのですよ。
日本は、列車トラブル滅多に起こらないとお思いでしょうか。
いえいえ、どうぞ駅員さんに聞いてみて下さい。

ベビーシッター宅に話戻ると、
無事たどり着いたこちらの駐在員家庭は
日本帰国が迫っており、奥さまは気の毒なぐらい悩んでおられます。

お子さまのお一人が軽い障害をお持ちで
英国での手厚く細かいケアに比べ、
日本は児童関係がかなり遅れてる上に大雑把とのこと。
この数年、一時帰国のたびに悲惨なめに遭われてきたご様子、
同情を禁じ得ません。

日本はゴミ箱が設置されていませんね。
オムツを換えたときは、ビニール袋に入れたウンチのオムツを一日持ち歩いて
電車の中で匂いに気を使われたそうです。
私もこの夏、公園のピクニックで
子供に食べさせたバナナの皮を右手に15分持って
自宅まで帰るという経験をしました。
日本人は日本の不便さに慣れてますが、海外から帰るとまずびっくりです。
テロ対策のせいにしてはいけませんね。
そこかしこにゴミが普通に落ちてるのですから
その気になればいつでも不審物を道端に放置可能
ゴミ箱限定で警戒するのは不自然です。


東京で知人のイギリス人駐在員家族は帰国命令が出ると飛ぶように英国に帰ってしまいました。
ロンドンには多くの日本人が意味なく居ついてますが
日本で皆さんの近所にイギリス人そんなに住んでます?
壮絶なスピードで日本を去ったイギリス人家族の理由のひとつがこれ。


「日本は危なくて怖い。」
でした。

歩道と車道が分かれておらず白線一本の横をバスが走ってるのが見えますか?
この数十センチの幅を5才と3才の子供の手を引いて命がけで送り迎えしながら
帰国の日を願い続けたと言います。
日本は歩道と車道が別れてないところが多く
外国人から、そのいいかげんさを指摘されたことが何度かあります。
しかし、これも子供のいない人にとってはどうでもいいことなのでしょう。
大人の私でも、たとえ歩道があっても日本は怖いです。
歩道を後ろから自転車が走ってくるのですから叫び
(日本の常識は世界の非常識。
自転は人を殺すこともできるのです。)

知人(日本人)が五月に自転車前後に子供を乗せて転倒し骨折入院した話を以前ブログに書きましたが
その時、日本の方から言われた言葉が忘れられません。
「骨折ですんでよかったですね。
日本では子連れママチャリたくさん亡くなってますよ。」
どんな国やねん!
と、私は知人の悲劇に頭真っ白になりましたよ。

それから
万年ひとつおぼえの「日本はキッチリしてる」「日本はスゴイ」
勘違い番組キャンペーン
恥ずかしいと顔が赤くなってるのは私たけでしょうか?
「うちの国を世界の人が褒めてるよ」
という番組は、あの本当に世界憧れの景観をもつスイスでさえ
見たことはありません。
知性ある先進国は、わざわざやらないでしょう。
外国人のお世辞より生の声を聞いてみて。
(まあ本音を言わないでしょうけど。
この私でさえミラノの空港でイタリアのテレビ局からインタビュー受けたときはイタリア絶賛したものです。
このシチュエーションで悪態つく人がいるでしょうか?)


下は恵比寿の一等地です。
日本は町の美観や周囲との調和を全く気にしませんね。

建物の高さや色、形など、もうメチャクチャです。
「人目を気にしないのか?」
「毎日目にするものなのに気にならないのか。僕には耐え難い。」
「なぜ、計画性を持ってきちんと整備しないでこうなったのか。」と
両手で足りない数のフィンランド、イギリス、ドイツ、オランダ、スペイン、ギリシャ、オーストリア人たちから素朴な疑問を投げかけられてきました。。

言われて初めて私も気づいたのです。
このお隣との調和を気にしない好き勝手ぶりは
多分世界でも類を見ないのではないかと。




下はイギリス。
ごく普通の家並み。


建物の高さや色彩、調和
きちんと揃ってないと気持ち悪いそうです。
樹木一本切るにもどれだけ細かいチェックが入るかご存知でしょうか。

毎日目にするものにこそ気を配る。
毎朝、家を出て
わあ!今日もきれい!
から一日が始まる幸福。

しかし、それもあくまで「私にとって」
です。
ゴチャゴチャが気にならない人もいるでしょうから
あくまで好みの問題。


日本人の皆さん
世界の国それぞれきちんとしてる部分が違うのではないでしょうか。
自国に誇りを持つことはもちろん大切だけど
客観性に欠けた身びいきと自我自賛の度を超えると
みっともないです。
それに、そんなに日本が好きなら
困ってる日本人見かけたら少しは助けてあげたらどうでしょう。
本当に切ない思いをしてる人が少なくないのですよ。
ご主人出張で不安がる奥さまのベビーシッター宅をを後ろ髪ひかれる思いで
後にしました。