ツアーのトラブルというと
皆さんは、どのような事態を想像されるでしょうか。
よく聞かれることの一つです。

今回私が帰国した「イタリア・フランスツアー」を例に上げると
初日、成田カウンターの隣で受け付けしてた添乗員さんのツアーは、
エールフランス欠航(*天候理由ではない。)により、成田泊に。
この日出発予定だったお客様全員フランスの観光がまる一日無くなってしまいました。
私達のアリタリア・ローマ便は、2時間遅延。
シチリア行きグループ三社は乗り継ぎ間に合わずローマのホテル泊、
翌日観光がなくなり
ミラノ行きも同様、ローマ泊により、翌日「最後の晩餐」が見学不可となりました。

私のグループは元々ローマ泊だったので、二時間遅れで無事(?)到着。
翌日からカプリ島・青の洞窟など観光した数日後
パリ行きの便は、パリの空港管制塔ストライキで二時間機内缶詰。
二時間遅れでパリに着いたら、ランチ予定のレストランは既にクローズ。
急ぎ各自周辺のレストランに分散して頂くが、自信のない方10名つれて近くのビストロへ。
一般個人客にまじって4つのテーブルを回り、フランス語メニューを通訳してると
ギャルソンに「座れ!」と怒られる。
ルーブル美術館予約ギリギリ飛び込み、障害者三名つれて別行動。
翌日モンサンミッシェル修道院ストライキ、全員入場できず。
お客様、返金より「どこかつれてって」のご希望どおり
バスドライバーに協力求め、ルーアンまで3時間走って大聖堂案内。
帰国時パリからローマは無事定刻出発。
お客様「やっとですね。」
が!ローマから成田行き、機内清掃会社が間に合わず2時間遅れ。
成田に着いたら、お客様のスーツケース1個届かず。
(前回は参加者の半数11個紛失、その前は6個出てこなかった。)

このツアーの精算報告は
「今回特に何もありませんでした。」
三分で終わり。
旅行社は毎日世界各地で起こるもっと大きな問題と格闘し続けており
この程度では担当者もかまってられない。
なにしろ、今年半分過ぎた現時点で、往復ともに航空機が定刻に飛んだことは
二度しかないのですから。

ローマの空港で立ち話したY社ツアコンさん
「うちも今回特に問題なかったわ。
初日にスーツケース4個出てこなかったぐらいかな。」
ここのお客さまは業界内でも旅慣れた方が多いことで知られており
今回も4名様は二日分の着替えと洗面具、充電器など手荷物で搭乗しておられたので
現地で、どなたも不満をおっしゃらなかったそうです。(注:帰国日まで出てこないこともあり、その場合、お客さまはほぼ着たきりとなる。)
 
数年前のヴェニス。全員裸足で靴片手にホテルへ。
これも、トラブルに入らない。

私達が通常お詫びする7割の原因は航空会社、2割が今回のような
関係機関、1割は天候です。
旅行社や添乗員のミスでトラブルになる例は年に一人聞くか聞かないかなので、
逆に何かやらかすと噂はすぐに広まります。
それにしても航空関係者・・・
今回パリの空港でも、カウンター職員がお客様のスーツケース最終受け取り地札幌を成田のタグつけて流してしまった。
ITOという同じ苗字だから、というのが言いわけだが、下の名前が違うでしょう(  ̄っ ̄)
それより、間違えられたハネムーナーの前で、上司にあたるフランス人が
この職員を5分にわたって叱りつけるのはやめてほしかった。
私「スーツケースは、いずれにしても成田で全員入国時に税関通るから!
 Its problem.but not big problem.」と、とりなす私に
上司「Our problem!」クドクドと説教が終わらない。
ハネムーナー「後でやって~」本当に・・・。
3月はアリタリアクルー全員の遅刻(私達のチェックインカウンターに飛び込んできた)
で成田から遅延、乗り継ぎ全滅となりました。
また、これは私のツアーではないけど、JALでご主人とはるか遠くの席にされたハネムーンの奥様
「何でハネムーンなのに、こんな遠くに離すんですか?!」
(私も聞きたい。アクシデントと違い、未然に人間の手によってどうにでも気配りできる問題。
先日JALに回答求めたのですが、同じ日に同じ予約番号で申し込まれた
同じ苗字の二人を何故遠くに離すのでしょう。
お願いだから気遣いしてあげて!)
この奥様、「私乗りません!」と言って帰ってしまわれた・・・。

気をつけたいのは
私達ツアコンや旅慣れたお客様にとって、
スーツケースがなくなったり、お客様に責任のないトラブルはよくあることだし
エアラインに完璧を求めてもいない。
上記のとおりルーズの殿堂であるから。
それでも、またかい、と馴れることなく
その時のお客様には、何もしてあげられなくても、心に添うことだけは
忘れずにいたい。