ツアーの精算・報告を終えました。
今回、三名の障害者が参加しておられ、
十分なお世話ができなかったにもかかわらず、
アンケートの「添乗員」項目に、ほとんど全員
5段階で5をつけて下さいました。
皆さん、ありがとう(=⌒▽⌒=)
これは私が特に優秀な添乗員だからではない。
通常、約10日間同行した添乗員に対し、
(よほど根性がねじ曲がった方以外は)
皆さま「5」をつけ、感謝の言葉を
書き連ねて下さるのが恒となってる。
それは多くのツアコンにとって幸福感をもたらす
エネルギー源となっているようです。

今回は、ハネムーナーが多かったので
パリのホテルでは、最上階のラウンジへご案内し、
23時のエッフェル塔イルミネーションを楽しんで頂きました。
 
ここは、カクテル一杯15~20ユーロ。(2,3千円)
やや高めですが、皆さま、何よりの思い出になったと喜んで下さいました。

 
フリータイム時、エステやマッサージご希望の方には
ホテル内やゲラン、カリタのサロンなど私の行きつけにご案内しています。
やはり、自分が気持ちよかったとか美味しかったと実体験で思えるところじゃないと
人にすすめてはいけませんね。
今回も、喜んで頂きました。私もリラックスできました*花*


ヴェルサイユのシャトーホテル「トリアノン・パレス」
お天気がよければ、是非テラスでお茶を飲んで下さいね。
コーヒー(エスプレッソ)は、6ユーロでマカロンがついてきます。
私は、マカロンをそんなに美味しいと思ったことないのですが、ここのは最高!
ずっと「本場でマカロンが食べたい」とおっしゃってた障害を持つCさん
望みをかなえられてよかったですね

今回フリー食が多く、おすすめレストランの予約を頼まれたので
パリでは、ミシュラン二つ星「タイユヴァン」を予約してさしあげました。
ランチのコース98ユーロ(ワイン付き)で、日本円にして1万3000円、チップ込みだと
1万5,000円かな、でも、これも一生に一度しかないフランス旅行の思い出と
奮発なさったようです。

この価値観に心から共感する。
行く先々で「食事がまずい」の、「朝が早い」のと文句たれ(何で選んだ?!)
レストランで飲み物を頼まず、カラフの水道水を飲む格安ツアー客とはやはり違う。

常々、
自分が何故ツアコンという過酷な職業につき、
私生活を犠牲にしてもしがみつくのか
と思った時に、私は、自分のお客様が
好きなのだという答えにいきつく。

海外旅行なら、いまどき、他の職種についてても
一人旅で行けるのだけど、
私は、ツアコンとしてお客様の側にいたい。
一つでも多くの心に残る情景を持ちかえってもらうことが生きがいとなっています。

私が子供の頃、お金持ちの人は漫画の「キャンディ・キャンディ」(古い)に出てくる
イライザのように意地悪なキャラクターで設定されていた。
しかし、旅行のツアー客においては
お客様の品性とツアー代金は、ほぼ比例するといえるでしょう。(Nを除き)
TやK、Hはじめとするいわゆる格安ツアーのお客さま方は、
世界のいたるところで今日もプリプリ怒ってらっしゃいます。

長年、高額ツアーに添乗させて頂いた私は
ブログを遡って頂いてもお分かり頂けるように、変な客に遭遇する確率が極めて低い。
日ごろ、お客様や同僚ツアコンの悪口を言わない私を
近しい人達は「良い子ぶりっこ」などと揶揄するが、
本当に見たことないのだからしかたない。

あ、厳密にいうと10年に一人ぐらいはいらっしゃいます。
フランスで20年営業を続けてる飲食店を「家畜のエサ」と言い
ラディソンホテルを「つれこみ宿」と表現した品性卑しい夫婦を
私は、民事で気がすまなかったので、名誉棄損で刑事告訴しました。
弁護士が行って受理されなかったので、
私自身が告訴状を書いて行ったら受理されました。
検事がおっしゃるには、相手は地検に呼び出され「震えあがってた」と言うので
取り下げてあげましたが・・・
ちなみに、ラディソンは当時の東京では、白金の都ホテルですよ。
ホテルが知ってたら、自ら告訴してたかもしれません。

私がお客さまに恵まれてるエピソードの一つを紹介させて下さい。
10年ほど前の話ですが
ローマのヴァチカン近くに「ミケランジェロ」という4つ星ホテルがあります。
部屋はけっして広くはないけど、きれいで快適なホテル、文句のつけようがないでしょう。
そこのロビーで散歩に出られたお客様を待ってると、
OOOOOOのバッジを付けた団体が
とっさに、(うちのお客さまにこの人達を見られたらどうしよう)
これが正直な気持ちでした。
不幸なことに、現地手配会社は、同じOOOO。
中欧のJSG(日本語を話す外国人ガイド)に言わせると「ミソモクソモイッショ」。
内容の深刻さより、彼の日本語能力にウケタおぼえがあります。
(誰が教えたのでしょう。)

話それましたが、この文句たれ団体客が私に話しかけてこられました。
「おたく、どこの添乗員さん?
このホテルって部屋狭いし近くにスーパーマーケットないし(*ここのお客さまは
世界中のスーパーマニアとして知られる)本当に不便だわ。」
「グァムのホテルはよかったのに」
「部屋にポットないし」
    グダグダグダグダ
    グダグダグダグダ
困惑し、「そうでしょうかね~
いいホテルだと思いますが・・・」とやんわりかわす私の元へ
散歩から戻られた我がお客様の、なんと神々しく見えることよ。

兵庫のO病院長夫妻は中学生のお孫さんをつれてのご参加だった。
ニコニコしながらロビーに入ってこられたO先生「いや~ヴァチカン近いし良い場所だねえ」
奥様「ロビーも綺麗だこと。さすがイタリアって感じね。」
お孫さんのA子ちゃん「おばあちゃま、花瓶のお花、生花よ。」

文句たれ団体客がO先生に話しかけた。(やめて!!)
「そちらの旅行代金いくら?わしら20万も払ってるのに
O先生は、静かにおっしゃった。
「一人138万円です。
この子は、小さいしエコノミーだから
60万しなかったと思います。」

この方達は、スイートに泊ってたわけではありません。
文句たれ団体客と同じカテゴリーの部屋に泊ってる(手配会社OOOOは
平気でこういうことをする)のに、こんなに何でも喜んでくれてる・・・
ますます敬意とそして愛おしさをおぼえたのでした。
私がこの仕事について
学習したことの一つです。
教わった言葉ですが

~金持ち喧嘩せず~