ファンを名乗れるほど

芸歴も芸風もよく分からないけれど

立川談志さん、好きでした。

ある時、

当時、大変入手困難なワールドカップ(だったと思う)のチケットで

視聴者を競わせ、その必死さを面白がるような番組があって

それは、普段の視聴者向け抽選などとは違って

本当に制作側の人格を物語るようなヒトコマでした。

悲しいことに、アナウンサー、コメンテーター誰ひとり

その愚劣さに気付かず普通に案内してる・・・。

と、その時

立川談志が怒りだした。

「こんなの間違ってるよ!

欲しくてたまらない人の気持ちにつけこんで。

俺はこんなのいやだ!」

本番中のスタジオに微妙な空気が流れ

周りがもてあましてるのが分かったけど

私には、立川談志ただ一人だけがまともな人に見えました。

ほんの数年前、

世界のどこかで血が流れ、飢えて亡くなっていく人がいる中で

日本の各番組は、毎日

野村沙知代が夏期研修(短期留学)を「留学」と書いたのは学歴詐称

と、どーでもいい個人のバッシングに一日3,4時間を割いてた。

週に何時間この話題、とか出ますよね。

私は、その時まで野村沙知代を知らなかったから

好きでも嫌いでもなかったけど、

よく政治家でもない人の経歴に延々と・・・と

この国のマスコミに驚くばかりでした。

こんな世界に

立川談志はいなくなったけど

損得や保身を考えず

正しいこと

間違ってること

私たちに教えてくれる人、後に続いてくれるといいな。

ご冥福を心から祈ります。