今夜の宿「ライダーズハウスいぶき」に着いたのは18時半。長い戦いだった。

宿と言うが、私とサトシにとってはスタート地点である。2日間かけて琵琶湖一周するイベントだが、我々2人は初日で一周完了してしまった。

とても疲れたが、これで2日目も走るというのだから、だいぶMである。

 

夕食はライハで弁当なのだが、私は家が近いので一旦帰宅し、風呂と着替えなどして戻ってこよう。

…のはずが、家の鍵を忘れ、ウチの家の者たちは外食で留守で締め出され、いろいろ手間取ったぜい。

ライハに戻り、夕食後にじゃんけん大会。

結構な商品があり、私はこれのために参加しているといっても過言ではなく、全力を尽くしてじゃんけんぽん。

Tシャツ3枚、帽子、小ぶりのバッグ、アウトレットの商品券など。割と当たった。

協会さんは「SNSにアップして」と言う。豪華賞品をネタにして新規メンバーを集めたいらしい。

 

夜遅くまで一緒に飲む。

ライダー同士の交流を目的とするなら、1泊して飲むのが一番良い。

みんなどんな経歴なのか、どんな活動をしているのか。二輪車交流振興協会。

思ったのは、いい人が多いということ。真面目な人と言い換えてもいい。このメンバーに会社員や公務員などの組織人が多いのはその表れだろう。

協会の活動として、ライダーによる社会貢献活動もあるらしい。

社会貢献活動。

郵便屋さんやバイク便などの職業ライダー以外にそんな事ができるのか。

バイク乗りなんて、悪いヤツばかりじゃないのか。

私には発想のかけらもない概念だ。

 

理論志向、経済志向、権力志向、道徳志向など、性格診断にもいろんなタイプがあるが、この人たちは、福祉や他人の役に立つために関心と興味があるタイプなのだと思う。社会志向と言ってもいいか。

私が大切にしているのは、「感覚とノリ」なので、なかなか相容れない。良く言えば、審美志向、か。

現代人の中で、こういう社会志向的なことを考える人が増えているのだとしたら、私は一般的な人と、かなり乖離してきたんだと思う。

 

仕事もそうだ。仕事で人間が作られる要素は大きい。

現代の組織人として、みなさん上手く立ち回っているのだろう。

昭和20年代はサラリーマンが20%、40年代は40%、60年代は60%だった。そして令和の今はサラリーマンが90%になったというデータがある。私のような個人事業主は今や原始人のような野蛮な存在なのだ。

学校では、将来組織人として生きていけるように、それに似合う教育をしているという考えもある。統制からのはみ出し者を作らないように。

大人になっても、組織はますます道徳的、倫理的に変化を求める。そうすると私のような者がますます異端になる。

バイクの世界も変化している。私はその変化に弱い。時代に対応できないタイプだ。

百人百様のバイクライダーがいてそれでいいし、共に酒を飲めば分かり合えるものだと思っているが、今回はそうでもないぞと、得も言われぬ手ごわさを1人感じさせられた、大勢の中の孤独な夜。

気持ちがネガティブになっているのは、昨日の飲み過ぎと寝不足のせいかもしれないが。