R163からK42に入る。

これまた狭い。完全1車線。険道特有の「ここはどこだ感」がある。

先ほどのK677と林道小延田代線のどちらの特徴も併せ持ったような印象。

3本とも、誰もいないという点は共通しているが。

先日、免許更新で、「かもしれない運転」「だろう運転」の話を聞いてきたが、こういう道こそ「かもしれない運転」の感覚を呼び覚ます。

普通に砂で滑るかもしれないし、ブラインドコーナーの先が崩れているかもしれない。倒木があるかもしれないし、獣がいるかもしれない。

対向車が来るかもしれない、とはあまり思わないけど。

とにかく道と環境を予測し、バイクを全て自分のコントロール下に置いておかなくてはいけない。

もっと運転が上手くなりたい。もっと対応力を高めたい。この齢になっても、そんな事を思える。

こういう道好きだ。

 

錫杖湖。

かなり水が少ないようだ。ここには水位が低いと現れる「石のだるま」があるが、水位どころか、周囲は干上がっていた。

 

安濃ダム。

「あのちゃん」と呼べばいいか。(←あのうです)

 

三重県北部、走りたい道はいくつかあるものの、思ったより時間が経っている。

夕方も予定があるので、そろそろ引き返す。

関から亀山市街をフラワーロードという道で迂回。信号が無くて、快走。

こういう道もKSR号は楽しい。

 

相棒のKSR-Ⅱはちょうど20年乗った。

思えば長い付き合い。

絶滅種の2ストロークエンジンなので、今や貴重で、大事に乗っていきたい。

少しクラッチの遊びが大きくなっている。調整しないと。

そして気のせいか、いつもより排気音が低いような。和音のような響き。パワーはスムーズに出ているが。

こうやって、ずっと何かを気にしながら乗っているバイク。だからこそ相棒感が高まるのかもしれない。

 

茶畑にて。

先月、中3と登った、鎌ヶ岳と御在所岳が見える。

というか鈴鹿山脈がずっと、どーんと見えている。

午後2時で早くも日が傾いてきた。もう夕方の光線。

 

朝明川の洗い越しへ。

道幅は町道で狭いが、焼合川との合流点に近いため、川幅は広い。

手前の看板に「潜水橋」と書いてあったが、これは洗い越しでしょう。

水の流れは一部だけで、水量は2cmぐらい。適量?

クルマが来れば対向は難しいが、誰も来ない。

来るのは野鳥だけ。次々飛んでくる。

 

流れの上で停めて、「今日の1枚」的な、お気に入りを。

 

午後は10℃を超えて快適だったが、夕方が近づけば気温はまた下がっていく。

バイク乗りはそういう変化に敏感だ。敏感でありたいとも思う。

いろんな景色を見て、いろんな道を走って、いろんな事を考える。

周りの流れに流されず、自分の好きな場所や道を行く。

やっぱりこれがないとダメだ。

 

帰り道。走り慣れたR306。信号の少ない快走路。

雲ひとつない青空。広がる田畑。後ろに流れていく家々。前に前に進んでいく。

KSR号の声を聞きながら、気持ちいいエンジン回転数で走る。

それが結果的に心地良い速度になっていく。

バイクって、こんなに良いものだったか。

嬉しいのか寂しいのか悲しいのか、泣きたいような気持ちになる。

あるいは気付かないうちに涙が流れていたかもしれない。

 

追い詰められて、周りがまったく見えていなかったんだな。

これで少しは自分を取り戻せたか。

今日のツーリングは、これにて終了。