気が付けば1時間近く山頂にいる。

他に登山者は誰も来ない。1人の山を満喫である。

寒くない。暑くもない。風も無い。

腹もふくれて、不安がない。一切のストレスがない。

そうやってゆっくり動く雲を見ながら、ずっと晴れを待っている。

何も無い場所だが、とてもしあわせな場所だ。

 

さぁしかし下山。

天空の道を帰ろう。

 

少し下りて振り返る。

名残惜しいような山頂だった。

ササの草原を赤い羊が群れている。

 

御嶽、乗鞍、北アルプスともお別れ。

 

沢まで下ってきた。

下りは楽だが、ここからはゆるやかになる分、さらにリラックスして歩ける。

 

朝も見ただろうポイントから山頂を見る。

朝とは色合いが違う。赤い羊もよく見える。

 

紅葉の森の向こう、位山の上、北アルプスがかすかに見える。

朝は雲がかかっていたが、空の表情もだいぶ変わった。

 

朝も見た岩にスギゴケ。

光が当たってさらに美しい。

 

尾根から斜面に下る最後の展望スポットから御嶽山。

実は朝は雲で見えていなかったので写真も撮らずじまいだったが。最後の挨拶という感じ。

 

急斜面ゾーンは北側を辿るために、日が当たらない。

帰り道といっても何も変わらない。

 

見下ろすと杉とササ。

何も変わらない。

 

急斜面の下山時もポールの使い方を考える。

長さは相変わらず短いままで、谷側は突かない。

グリップ部の下のラバーが巻いてある箇所を握ってさらに短く持ち、山側だけをリズミカルに突いていく。

谷側はてんびん持ち。ジグザグに下りる場面では左右持ち替えて。

道が細く、ずっと斜面なので、こういう感じがいいかも。日々勉強である。

 

危険!路肩注意。ゆっくり下山。

はい。

 

危険!今度はジグザグ道。ゆっくり下山。

はい。

 

丸太橋が見えてきた。

帰ってきた感じがする。

 

登山口に帰ってきた。

癒しの道。うん、本当に癒された。

下山時は苦しさが全く無いので、本当に楽しさだけの道になった。

本当にいい山だった。

 

なにが君のしあわせ

なにをしてよろこぶ

 

いい山を歩く。

これが私のしあわせ。そしてよろこび。