古典第二弾、ということで。
こんにちは、渋谷です。
古典を読もうのお時間がやってまいりました。
一日空きましたね。子供と遊んでいました。もうすぐ夏休みも終わるし、髪切りにつれてったり児童館つれてったり。
そうそう、読書感想文も何とかなりましたよ!いったん書いたやつに私が赤ペンで修正を入れて、清書させるんだけどここでも間違い連発してるから全部消して書き直させたり。こうまで手を出していいのかと思いつつ、よそのお母さんも聞いたら似たよーなもんだった。一年生なんてそんなもんよねー。それと、自由研究もテーマは「押し花」で何とかまとめました。ベランダの花とか、道端の花を押し花にしてスケッチブックに貼り付けた。
プリント類も終わったし、あとは俳句ですか……。これ、私が無職だからこうまで付き合えるけど、お仕事をなさってるお母さんは大変だろうなー。学童で宿題まで見てくれるのかな。朝のラジオ体操にも付き合わないかんし、一年生はまだまだ手がかかりますわ。
今日も午前中は宿題させて午後からお出かけ。児童館かなー。古本屋という手もあるけど、まあ子供に訊いてみよう。
小説は書けないけど、まあ仕方ないのです。9月から馬車馬のように書きまくります。で、古典を読もう。今日はヘミングウェイの「老人と海」です。
まず何がどうってね、文庫本で読んだんですが、文庫本ってカバーの裏っかわにあらすじ書いてあるじゃない。そこにさあ、もうあらすじどころじゃなく最後のオチまで書いてあるんですよ。私が手にした本。新潮文庫なんですが。
「名作だからどうせ中身知ってるでしょ?」とでも思ってるんでしょうか。ちらっと裏側を見て話の筋は分かっちゃったんですが、なんとか忘れるよう努めながら読み進めました。結論から言うと、むっちゃくちゃ感動した!
ピューリッツアー賞フィクション部門受賞作なんですって。私、ピューリッツアー賞って「戦争をテーマにした写真」みたいなのに贈られるんだと思っていました。本もあるのねえ。じゃ、この賞の歴代受賞作を読んでいけば、このレベルのアメリカ文学が読めるってわけね。
学びました。で、あらすじです。舞台はキューバ。サンチャゴというおじいちゃん漁師が主人公です。
サンチャゴは一人暮らしの老漁夫。手こぎのボートで、シイラやカジキを狙って漁に出る生活を長年送ってきました。でもここ最近はすっかり不漁。なんともう84日間も何も釣れていません。だもんで無収入、食うや食わずの生活を送っています。
そんな彼には弟子の少年がいたのですが、あんまりにもサンチャゴが何にも釣ることができないもんだから、別の船に乗ることを両親に命じられてしまいました。サンチャゴはまた一人で海に出ることになったのですが、この少年との交流は続いています。身体が動かなくなったサンチャゴを気遣う少年……ううう、いい子や。ふたりの話題は魚のことや大リーグのこと。サンチャゴも少年も大の野球ファンです。
さて、84連敗のサンチャゴが漁に出た85日目。サンチャゴの針に巨大なカジキが掛かります。でもサンチャゴはおじいちゃん。ひとりでこの巨大なカジキを釣り上げ、漁師としてのプライドを取り戻すことができるのでしょうか……。
……と、いうだけの話なんですが。
サンチャゴという一人の老人が背負ってきた人生の重さ、そして大海の中ひとりあがくその存在の軽さが、圧倒的な迫力で迫ってくるような作品です。大いなる海の恵みでその人生を保ってきたサンチャゴ。このひとりの漁師の誇り高い人生が船の上で回想されます。なんたって丸3日間もカジキと引き合いしてたんだから。
サンチャゴはカジキを殺そうとしていますが、その存在に強い敬意を払っていて、払っているからこそ自分の手で仕留めてやりたいと思う。自分の方だってもう傷だらけでふらふらです。寝てないし。あちこちずる剥けだし。釣って食べたシイラはなんか腐ってるし。
命がけで老人とカジキは戦うわけです。男のプライドのぶつかり合いです。魚と殺し合い。現代では考えられない大変な漁ですが、その中に「自然と対峙すること」「命を頂くこと」「人生と向き合うこと」が鮮やかに描かれていました。……で、老人はとうとうカジキに勝ちます。船よりデカいそのカジキを船に結び付けて、故郷の港を目指すのですが。
美味しい匂いに誘われて、サメがいっぱい集まってきちゃうのよー。うわーん、おじいちゃんが頑張って釣ったカジキがかじられちゃう!銛とかで応戦するサンチャゴ!でもサメの方が上手ー!港に帰った時にはカジキはもう骨だけになっていたっていうのよ!疲れ切っておうちでバタンキューするサンチャゴ!少年がサンチャゴの帰還と巨大なカジキの残骸に気付き、彼の小屋を訪れた時にはサンチャゴは深く眠っていました。サンチャゴはその昔、アフリカで見たライオンの夢を見ていたのです……。
……と、いう!
なんか、「人間ってこうやって長い営みを送って来たんだなあ」と実感させられるお話でした。文明が発達したのなんかこの200年やからねえ。それまで、ただの衣食住にこういう死闘が繰り広げられていたんだろう。このお話は近代の話ですが、「人間の持つパワー、尊厳」みたいなのに、人類の長い歴史を思ってしまいましたよ。うーん、こういうのを名作っていうのね。
文字って面白いよね。言葉って。記号だけど、組み合わせによって人を傷つけることも出来れば、こうやって大きな物語を紡ぐこともできる。素晴らしい物語は千年越えても残り続ける。あ、そうそう、源氏物語も読みたいな。田辺聖子さん訳がいい。まあ、それもそのうち。
そんなわけで、古典って素晴らしいなというわけでした。次は現代の読もー。ツイッターでフォローしてる、辻仁成さんのデビュー作を借りて来たので。
私、この人好きなのよ。人生訓みたいなのをよく呟いてるんですが、ほんとに深く頷かされる。真理を知ってる人だなと思うんです。あと、この人のレシピで作った味付け卵はホントに美味しいぞ。一時期ハマって一日に3個ぐらい食べていた。
というわけで、俳句を考えます。いや、子供に考えるよう促します。ていうか、結局私が考えちゃうんだろうけど。
ではまたっ!