読書感想文111 朝倉宏景 白球アフロ | 恥辱とカタルシス

恥辱とカタルシス

作家志望、渋谷東子と申します。
よろしくお願いします。

野球は分からんね。

 
こんばんは、渋谷です。
 
 
 
今日も今日とて受賞作を読む読む。小説現代長編新人賞。今日は2012年の奨励賞をとってデビューした朝倉宏景さん。1984年生まれ、東京学芸大学卒だそうです。
 
2018年に風が吹いたり、花が散ったり」という作品で第24回島清恋愛文学賞を受賞されているそうです。これはブラインドマラソンをテーマにした作品だそうで。スポーツをテーマに書かれることが多い方のようですね。今回読んだ「白球アフロ」は高校野球がテーマです。
 
しかしねー、もうこれは私が悪いんですけど。
 
野球のルール、全然分からーん!
 
こないだの「盤上のアルファ」は将棋がテーマでしたが、将棋は私、多少分かるんですね。だからまあ、面白く読めたんですが。
 
ファンブルもダブルスチールも私の辞書にはないんですよね。その度にいちいち調べなくちゃならない。なんか野球を知ってる人ならすぐ思い至る暗黙の了解、みたいなのも散りばめられてるんですが意味が分かんない。だからはっきり言って、私この作品をほとんど理解できてないと思います。
 
 
 
主人公は瀬山くん、高校2年生。野球部員です。なんとなーく野球部に入って、なんとなーく野球をしてる空気が読める男の子です。
 
そんな瀬山くんのクラスに転校してきたのが、クリスくんという黒人の男の子。アメリカ人と日本人のハーフです。クリスくんは野球部に入部しますが、アメリカンな野球をやってきたクリスくんには日本の野球が理解出来ません。
 
そんなクリスくんに日本風の野球を教える役割を任されたのが瀬山くん。空気が読める瀬山くんは口八丁で丸め込んで、先輩に反発するクリスくんを大人しくさせます。犠牲バントとかアメリカ人には理解できないんだって。まあ、そういうもんかもね。
 
野球部のキャプテンは、熱くて上下関係に厳しい岡崎先輩。岡崎先輩はクリスくんの自由奔放ぶりが許せず、ふたりはがっつんがっつんぶつかり合い、間に挟まれた瀬山くんはキリキリ舞いです。
 
 
 
結局、瀬山くんとクリスくんの成長物語なんですね。クリスくんのお父さんはイラクで亡くなった軍人さん。それを知った瀬山くんは事無かれ主義で生きてきた自分を恥ずかしく思い、クリスくんは瀬山くんの思いをぶつけられ、日本風の友情の育み方を覚える。
 
うん、まあいい話なんです。お話のラスト、公式戦に立ち向かう瀬山くんたち。一度はバラバラになったチームがひとつになって、ハラハラドキドキの試合の一部始終が描かれます。
 
だからね、野球がわかる人には、きっと感動のラストなんです。でも、私にはいまいち伝わってこんもんで、なんだかぼーんやりとお話が終わっちゃったのよねえ……。
 
 
 
まあ、人間って、それぞれ守備範囲がありますからねえ……。野球が好きなひとはかなりの割合でいますから、響く人は多いと思います。確実に将棋よりは多いよな。
 
たまたま私が野球に興味がないから、いまいち分からなかったんですが、出来の良い作品なんだろうと思います。野球好きな方、青春小説が好きな方にオススメします。
 
そんな感じで明日からお休みだわね。父の日かあ……。色々、色々やな。めんど……いやいやいや、嘘よ。さあ、父の日を祝いましょか!
 
というわけで、またっ!