ペナルティ中ですよー。
こんばんは、渋谷です。
エブリスタでペナルティ食らいました。大人の人に怒られたのは久しぶりです。怒られた……なんか、逆に可笑しい。
理由は簡単なことで、私がメッセージ使ってメアドを送信しようとしたんですね。メアドそのまんま書いて送信しようとしたらエラーになりました。それで翌日からペナルティ。
もう4、5日になるかなあ。結構長いのね。まあ私はエブリスタでもう書いてないのでペナルティになっても大して困らないんですが、アカウント削除になったらちょっと悲しい。エブリスタにしか置いてない話もあるので、それらはパソコンのオフィスやセルバンテスに移しました。
多分1週間ぐらいでペナルティ解除になるのかな。普通そのままメアドなんか送ろうとしないよね。アホやな私。ちなみに送ろうとしたお相手は女性です。そのお姉さんがこんなことおっしゃってて、笑った。
「春休みで、女子高生たちが悪事働くためにメアドの交換とかしたがる時期だから……」
援交少女と間違えられた私。不良中年。相手は同性なのに。本当に何やってるんでしょうね。自分のマヌケさに苦笑です。お姉さん、その節はお騒がせしました笑
でね、ある朝パソコン開けたら、エブリスタにのっけたフリーメールにいきなり90件とかメールが着てるのよ。「えっ!」ってなるよね。普段は静かなアドレスだったので。何事かと思ったら、全部ヤフーからだった。
とあるニュースについて、なんとなくヤフコメに書き込みしたのよね。そしたらそれが沸いて返信が全部で200件ぐらい来た。あれ、返信が1件あるごとにメールが1通くるのね。
途中からめんどくなって読むのやめちゃいましたが、私が書いたことに賛否両論が巻き起こっててびびった。私は私の意見を書いただけなんですが、それを悪のように受け取る人もいるんだなあ。
まあ7割は肯定的でしたけど。もう当分ヤフコメはいいや。色々めんどい。話が逸れましたが、そんな訳で只今私、エブリスタペナルティ中です。メアドそのまま載っけるのは止めよう!大人に怒られちゃうよ笑!
で、今日の読書感想文は田中慎弥さんの「共喰い」。面白かったー!田中慎弥さん、やっぱり大好きです!
表題作の「共喰い」は芥川賞受賞作です。菅田将暉くんで映画にもなってますね。私は見てません。さっきググったら映画は小説に後日談を足してるところがあるのね。小説は映画のラストだいぶ前で終わってます。私は小説のラストの方が良かったんじゃないかなーと思う。見てないのでアレなんですが。
舞台は田中さんの出身地である山口県の「川辺」と呼ばれる地区。時代は昭和63年。
「川辺」という地名、貧しい地域であるそこがどういう地域か、わかる方には想像がつくかと思います。はっきりとは書かれていませんが。下水が川に垂れ流されて、悪臭を放つ地域。時代は昭和でまだそこには光が射していません。そこで父親と後妻の琴子と3人で住む高校生遠馬が主人公。川向うには空襲で片腕をなくして、特殊な金属製の義手をつけてひとり魚屋を営んでいる実母、仁子が住んでいます。彼女は同じ地域に住む幼馴染、千種。
遠馬の父親は怪しい商売で生計を立てながら、あっちこっちで女をとっかえひっかえするような男です。しかもセックスのたびに女をぶん殴ったり首絞めたりします。いるいる。こういう男いる。私が今書いてる話にもこういう男が出てくる。遠馬の実母の仁子さんも、現在の妻である琴子さんも被害者ですが、なんか父ちゃんは悪びれません。琴子さんは顔にあざを作りながらも、明るく遠馬くんのお世話に励みます。暴力が容認されている町なんですね。仁子さんなんかは切れて遠馬くんを置いて家を出ますが、だからって父ちゃんと縁を切ったわけでもない。「男は暴力をふるうもの」というあきらめみたいなものが根底にある。そしてその子供である遠馬くんに、「あんたは父ちゃんにそっくりやわー」と繰り返す仁子さん。
遠馬くんかわいそうやんね。家では父ちゃんが若い後妻をゴスゴスに殴りながら犯している。こんな環境で遠馬くんがまともに育つはずもなく、彼女の千種ちゃんとセックスの最中に思わず首絞めちゃいます。こらっ。そーゆーのは容認してくれる相手を見極めんと犯罪ですよー!
血が自分をそうさせてしまうのかと遠馬くんは悩みます。千種ちゃんには嫌われちゃったし。やけになってお父さんがご常連の立ちんぼさんを抱いちゃいます。もちろんゴッスゴスに殴りながら。でも立ちんぼさんは、「お父ちゃんよりだいぶマシやったから、安くしといたるわ」
そんなときに地域は夏祭りを迎えます。近所の子供たちがおせっかいを焼いて、神社の社で再び顔を合わす遠馬くんと千種ちゃん。千種ちゃんは遠馬くんを許すと言ってくれたのに、遠馬くんたら意地張っちゃう。だって、自分にはあの野獣の血が流れてるんですもんね。もう千種ちゃんを殴ったりしたくないんですから。逃げ出す遠馬くんに、「祭りの日にここでまっちょるけー」みたいな千種ちゃん。……なんか、一途ないい子です。
さて夏祭りの当日は大雨。その期に乗じて琴子さんは遠馬くんちから逃げ出します。子供ができたんですね。子供を守ろうとしたのか、もうDV夫に付き合いきれなくなったのか。遠馬くんに琴子さんの出奔を聞かされた父ちゃんはブチ切れて探しに出ます。探しに出て……神社の裏で見つけちゃったのが千種ちゃん。
あの獣は千種ちゃんを琴子さんの代わりにえらい目に合わせてしまいます。もうっ。根っからの獣!生きる価値なし!それを知った仁子さんは大雨の中、すべてに決着をつけるべく遠馬くんの父ちゃん、自分をかつて苦しめた夫を探しに出るのです……。
何が起きたのかは言わずもがなですね。なんとも衝撃的で、なのに全然現実離れしていないのは田中さんの筆力のなせる業なんでしょう。ざっくりあらすじを書きましたがこんな簡単なもんじゃないです。もっと複雑で果てしないお話です。タイトルの「共喰い」も、誰と誰が「共喰い」をしたのか、いろんな意味に受け止めることができます。
ああー面白いなっ。私もこんなん書けるようになりたい。グロくて暴力的ですが、繊細でギラギラした作品です。楽しいだけの本もそりゃ楽しいけど、私はこういうのが好きだ。そして田中慎弥さん、大好きだ。
もう1作、「第三期層の魚」という短編も収録されています。やはり下関で釣りが趣味の少年が主人公。お父さんは亡くなっていてお母さんと二人暮しの少年は、母親が仕事の間、祖母と曽祖父が暮らす家に預けられます。この曽祖父が弱り、亡くなっていく中での少年の機微がつぶさに描かれています。少年、傷つきやすいなあ。
なんか男っていちいち説明せんやん?それが女からしたら「言いたいことあるんやったらしゃんしゃんお言いや!(伊予弁)」なんですが、なんか沈黙の美学みたいのがあるんですねえ。年端のいかぬ少年でもそうなんだ。
なんか「察してちゃん」みたいだ。感じてることをちゃんと口に出してくれ。でもこの葛藤が美しいね。男の人の繊細さを綺麗に書き出した作品で、とても良かったです。
というわけで、面白かった田中慎弥さん。また読みます。楽しみだわ。
ではまたー。