本日2回目の更新ですね。
渋谷です。
綿矢りささんの「勝手にふるえてろ」を読みました。
金原ひとみさんを読むなら、綿矢りささんもセットかなと思って。図書館にあった「勝手にふるえてろ」。面白かった!でも、ちょっとびっくりしちゃったんですよね。
このお話、映画化されてるんですね。松岡茉優さん主演で。ネットでそこ見てびっくり。映画「勝手にふるえてろ」はコメディに分類されてるんですよ。
コ、コ、コメディ?そうなの?私、この本読んでちっともコメディ臭を感じなかった。
それどころかちょっと怖かったんですけど。怖い。はっきり言えばちょっとでなく怖い。
主人公のヨシカ、この子のキャラクター、笑い事でもなんでもなくてホラーでしかないんですけど……!
ヨシカは上京してきてOLをしている26歳の女の子です。処女。元オタク。趣味はウィキペディアで絶滅した生物について調べること。初恋の人だった「イチ」を忘れることができなくて、未だ処女である自分に若干誇らしささえ感じています。一途な自分に対する誇り。過去、クラスでいじられるか存在を認識されないかしかなかった自分が、男性経験がないことを正当化しようとしているかのような感じもあります。この主人公はっきり言って、歪んでます。
ある日寝ている間にボヤを出してしまったことがきっかけで、人間いつ死ぬかわかんないんだからやりたいことをやっとこう、ということで、過去好きだった「イチ」に何とかして会おうとします。そのやり方が、サイコ。
海外に行っているクラスメイトの名前を語ってmixiで同級生を集め、「イチ」がmixiをやってないと知るとそのクラスメイトの名前でイチの実家に電話をかける。同窓会の当日に、「私インフルで行けなくなっちゃったー」と同級生に一斉送信。……うそやろ。こんなんって笑い話なん?怖い、本気で怖い。
それでも結局イチとはうまくいかない。名前を覚えてもらってもない。自分からぶっこむ度胸はないわけです。
前後してヨシカは生まれて初めて告られます。イチとの対比で「ニ」と称される同じ会社の営業マン。独善的で俺大好き男ですが、営業マンはそうでなきゃいけません。私はそう思います。なのにヨシカはイチと比べてニをきもいきもい言います。真面目にヨシカに愛情表現してくれるニ。なのにヨシカはニの告白にちゃんとした返事もしません。ずるい。ずるいですよヨシカ。
そうこうしてるうちに、ニがヨシカにこんなことをもらしちゃう。ニはヨシカを攻略すべく、ヨシカと社内でうわべのみの付き合いをしている来留美にリサーチをかけます。そこで来留美が「ヨシカって処女だよ」とオブラートに包みつつばらしちゃう。それをニがヨシカにもらしちゃう。ヨシカ、憤怒です。