サンドバーグのLEAN INは日本でこそ読まれるべき本かもしれない | 白河桃子オフィシャルブログPowered by Ameba

サンドバーグのLEAN INは日本でこそ読まれるべき本かもしれない

フェイスブックのCEO、LEAN INを書いたシェリル・サンドバーグが来日。
日経新聞主催のイベント「グローバル・ウーマン・リーダーズ・サミット」
には850名のところ、60000人応募があったと聞き、
まだまだ日本の働く女性の未来は希望があると思いました。

イベントに行ったある有名女性経営者がおもしろいことを教えてくれました。
「サンドバーグの話は、女性として働くことの壁、結婚、出産、子育て
についても、忌憚なく語ったもの。遠いキャリア女性の成功物語ではなく
日本の普通の働く女性にも十分共感できるものでした」

しかし登壇した日本のキャリア女性の草分けともいえる方たちが
「私は女性としての壁を一度も感じたことがない」
という人ばかりだったというのです。

DeNAの南場さんの基調講演も「女性であることを意識したり、男女という
考え方自体が苦手・・・すごいアウェー感」とおっしゃったそうです。

「男と女以上に大きな違いは仕事ができるかできないか」だけだそうです。

アメリカでキャリアを積んだサンドバーグが「働く女性としての悩み」を語り、
はるかに男性社会の日本で成功した女性たちが
「女だからって何か?」と言う。

その好対象がおもしろかったというのです。

この理由は二つあると思いました。
成功した女性を取材していると、くっきりとタイプがわかれるのです。

まず、タイプAは「やりたいこと」が最初にあって、女性としての壁も何も目に入らず
一直線にそこに向かう人たち。

創業者女性はこのタイプがすごく多いのです。

壁や限界を自分で打ち破ってきたというよりも、
何事にも「壁」や「限界」を自ら作らないタイプです。

さぞや男まさりで、独身が多いのでは……と思われがちですが、
若いうちに結婚していたり、子どもも産んでいたりします。

どの年代にもいます。

40代ぐらいになって「あれ、周りの女性はなんで大変なの?」と
女性の問題にやっと気づく感じだと思います。

そしてタイプBは均等法第一世代に多いタイプです。
どちらかと言えば、創業ではなく企業の中で
頑張って道を切り開いてきたタイプです。

均等法第一世代に多いと思います。日本企業での限界を感じ、結果的に
外資や創業という道に行きます。

彼女たちへの禁句は「女性として初のXXですが、どう思いますか?」というような質問。

「女性だからではなく、私は実力で勝ち取ってきたのだ」という自負があるので
「女性として」とわざわざ言われる筋合いはないということです。

男性と同等、いや、むしろ男性の3倍はやってきたから
今リーダーの地位にあるのでしょう。

結婚や子どもは二の次。そんなことを理由に仕事をおろそかにするなんて・・・と
後輩女性にけっこう厳しいのもこのタイプです。

もし子どもがいても、「それが何か?」と気取られないほど
がんばっています。

壁をぶち壊し、ぶち壊し、やってきたタイプです。

相手がAかBかを知るには「女性として仕事の上のメリットやデメリットはありますか?」
と聞くこと。

Aタイプの方は「女性として・・・うーん、むしろ得なことのほうが多かったですね」とサラリと言う。

Bタイプの方は「女を使った」と言われるのが一番腹が立つ。この手の質問には
「特に考えたことはありません。キリッ」と答えると思います。


そして最近の30代女性リーダーはタイプCだと思っています。

ある女性創業者(30歳)は
「起業すると決めていたので、出産のタイミングは考え抜きました」
という。別の女性創業者は(27歳)
「起業も結婚も出産も、半年遅れのスケジュールで進行しています」
という。

女性としての出産、両立などのライフイベントなどの壁を意識し、切り抜けられるよう
プランニングしているタイプ。女性としての人生も経営者や女性リーダーとしての人生も
両方味わっていきたいという方たちです。

彼女たちは「事業計画を作るように、女性としての人生もプランニングしている」と
感動しました。

AタイプとBタイプの先輩から学び、新しいハイブリッド種とも言うべき女性リーダーが出てきたわけです。


社会や企業の環境は確かにひどい。でも自分の意識を変えることはできるとサンドバーグは語る。

私もいつも女性が自分でなりたい自分になるためにどういった戦略をとるべきかという視点で
書いています。

まさに、女性の時間に待ったはない。自分を変えることを先にしよう。

一歩踏み出そうというサンドバーグのメッセージ、「LEAN IN」はまさに、これからの世代の日本女性にこそ読まれるべき本なのだと思います。

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲/日本経済新聞出版社

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