萩尾望都さんが描くフクシマ | 白河桃子オフィシャルブログPowered by Ameba

萩尾望都さんが描くフクシマ

萩尾望都さんが描くフクシマ

萩尾望都さんがフクシマの漫画を描いている・・・
週刊誌の書評で読み、あわてて
少女漫画誌flowers8月号を買いに走る。

以前漫画編集者の方に
「震災後の世界を取り入れて漫画を描いている人はいますか?」
と聞いたところ、島耕作だけ・・・という返事だった。

あれだけのことが現実に起こると、核戦争後の世界などを描いている
作品はやりにくいだろうし、普通の日常を描いていても
それはフクシマ後の日本とは徐々に乖離していく。

「作家さんたちも衝撃は受けている。でも悩んだ末一周まわって
今は何事もなかったかのように作品を続けることを選んでいるんだと思います」

編集者は言っていた。

オウムも阪神大震災も、9・11も文学や漫画など
に取り入れられるのは時間がかかった。

しかし、萩尾望都さんはフクシマの女の子を
主人公にした漫画を描いた。今、この時期に!
女の子は一家で避難中で、おばあさんは津波で行方不明という設定だ。

「描かずにはいられなかった」と彼女は言っている。

すごい勇気であると同時に、それだけのことなのだと思う。

ひょっとしたら女流作家たちは意外に早く
この現実を作品世界とリンクさせるかもしれない。

なぜなら、今起きていることは、とても生活に近いからだ。

毎日口にいれる食物、水、マスクで登校する子供たち・・・
ガイガーカウンタを手にする母親・・・

次はよしながふみさんの「昨日何食べた?」にさりげなく
食材の放射能汚染の話が出てくるかもしれない。

月刊 flowers (フラワーズ) 2011年 08月号 [雑誌]/著者不明

¥530
Amazon.co.jp