とあるシークレット講座に参加していた時に、素晴らしい講師の方が「空海」について話をしていたことをきっかけに「なかだ」の中にも数ヶ月ぶりに空海について学び直したい、著書を読み直したいという思いが再び生まれました。
それが空海について久しぶりに書いているキッカケです。
希望が持てたと言って下さった方がいたので、もう1記事あなたに送ります。
24歳の時の若き空海の著書三教指帰についてはザックリとでしたが書いたので、晩年57歳の著作「秘蔵宝鑰」について触れたいと思います。
三教指帰ではまだ若さがそこかしこに見えたのですが、秘蔵宝鑰では迷いが吹っ切れた空海の多彩な風景を垣間みることができます。
約半年ぶり3回目の精読でした。おそらくこの書籍のコアであろう、このセリフについてはまだぼんやりとしています。と思って和訳を探し出したら意味が取れた気がするので、後述します。少しばかり引用してみます。
秘蔵宝鑰の現代語訳と和訳から。
「私は世の人々に、妄執を乗り越えて、人間の心の真実に入っていって貰いたいのです。霧をかかげて(吹き飛ばして)明らかな光のもとに自分の本来所有し備わっている仏心をはっきり見直してみると、そこには、無尽の宝物が1ぱいつまっていて、私もあなたも、その宝物を利用して、毎日が全く新しい生活となるに違いありません」秘蔵宝鑰p23現代語訳 序文
頓に三妄を越えて心真に入らしめん
霧をかかげて光を見るに無尽の宝あり
自他受用日に弥、新たなり和訳
空海の教えを教科書通りに大胆にぶった切れば、「即身成仏」と「唯識(六識≒縁起)」などです。
唯識についてザックリと言えば、この世は認識されたもので成り立っていますよ、ということです。
もちろん、気功って何ですか?認知科学って何ですか?コー●ングって何ですか?という質問と同じでそれを説明するために何百時間、何百記事とかけているものですから、5分で分かることだけではだいたい間違っています。世界はそんなに直線では描けません。というか、まったく描けません。
ですから、唯識についてもまずはザックリとした理解でいておいてください。
唯識wikiだけでも膨大な知識体系があります。
即身成仏とは、生きたまま仏になることを言います。
話を戻しまして、現代語訳では意味が通らない気がしたのです。案の定和訳を持ち出してみましたら、
自他受用日に弥、新たなり
となっていて、弥=大日如来となりますから、大日如来を受け入れた瞬間に新しい自分になっていますよ、と書かれていますね。ですから、現代語訳とは違って、即身成仏=生きたまま仏になること、が書かれていました。
現代風に超訳するならば、ゴールの世界を受け入れた瞬間に新しい自我になっていますよ、ということではないでしょうか。
認知科学的に言えば、小説で涙を流す問題をはじめとしたリアリティとしてリアルだと思ったものがあなたにとってのリアルですよ、ということです。
ブッタの悟る前のシッダールタがありがたいように、空海らしい即身成仏の論理を垣間みることができます。また、「なかだ」流に蛮勇は承知で、超訳現代語として書き換えてみます。
私は世の人々に、妄執を乗り越えて、人間の心の真実に入っていって貰いたいのです。霧をかかげて(吹き飛ばして)明らかな光のもとに自分の本来所有し備わっている心をはっきり見直してみると、そこには、無尽の宝物が1ぱいつまっていて、私もあなたも、その宝物を利用して、今この瞬間になりたい自分になっていることに気づくでしょう。
最後にまだ冒険は終わっていないことに気づいたと思います。
無尽の宝物って何でしょうね?
僕はおそらく1つの答えが分かっていますが、それは自分で見つけ出してみてください。
空海が秘蔵宝鑰で語るように、妄執という霧が晴れれば、おそらく観えるようになってくるでしょう。
言葉足らずだったかもしれませんし、暴論は承知ですが、
秘蔵宝鑰の精読のほんの少しの助けになるならば、これほど嬉しいことはありません。
また、この記事を読んだだけで分かった気になることこそ、密教の本質が分かっていない!と空海に怒られるであろうことは言うまでもないかもしれませんね。汗

頓に三妄を越えて心真に入らしめん
霧をかかげて光を見るに無尽の宝あり
自他受用日に弥、新たなり
空海「秘蔵宝鑰」 こころの底を知る手引き ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫)/角川学芸出版

¥885
Amazon.co.jp
空海は,すごい 超訳 弘法大師のことば/PHP研究所

¥1,512
Amazon.co.jp