おんぶトノサマバッタを発見したのは、可愛いお嬢さんでした。
”お母さん!お母さん! おんぶバッタよ!” と若い母親を呼びながら盛んに指をさしている。
私はベンチで、なんとなくその風景を見ていたが、今度は親子一緒にしゃがんで顔を近づけて
熱心に見ている。
一連の動作は、誠に微笑ましいものであったが、女の子だけあって触ったりすることなく
去って行った。
今度は、私が近づいて、そのおんぶバッタを手に取って・・・と書きたいところだが、
カメラに収めておくに留めた。
私も幼いころは、バッタも掴まえ、カエルとも充分遊んだので、おんぶバッタであっても、
ただ、眺めているだけで癒されるのだ。
《2017.10.10 周南市 東郭》

おんぶバッタは、バッタの子供が親の背中にしがみついてると思うし、私も、ずっと、そう
思って済まして来たが、今回、大きな勘違いであったことを知った。
最初に、おんぶバッタというのは、オンブバッタ科があり、オンブバッタ属がある由緒ある
種なのである。見た目は、ショウリョウバッタのようであるが、年中、おんぶした姿から
来ている?ようである。
次に、一見親子と思ったのは、大変失礼なことで、大きいのが♀、小さいのが♂で背中に
乗っているというのだ、更に衝撃的なことは、交尾をしているというのだから驚きである。
従って、バッタはよくおんぶしている姿を見かけるが、この殿様バッタは、”おんぶトノサマ
バッタ” であり、イナゴは ”おんぶイナゴ” と呼ぶのが正しいと言える。
でも、近頃、齢を取ってきて、そんなことで正しいかどうかというのは、寧ろ、世の中を
狭くするという事実に気が付いてきた。おんぶバッタは、どんな種でも ”おんぶバッタ” で
いゝのである。