四国遍路の旅を紹介しています。
今回は、第37番札所岩本寺(いわもとじ)で御座居ます。
御詠歌に「六つのちり五つの社あらわしてふかき仁井田の神のたのしみ」とあります。
六つの塵(ちり)とは、仏教用語で六境(ろっきょう)ともいい、認識判断を行う眼・耳・
鼻・舌・身・意の6根それぞれの対象となる六つの領域のことで、色境・声境・香境・味境・
触境・法境の6つで、塵のごとく心を汚すものとされています。五つの社は、弘法大師が
仁井田明神のご神体を5つに分け、それぞれの社に不動明王像、観音菩薩像、阿弥陀如来像、
薬師如来像、地蔵菩薩像を本地仏として安置した、という故事から来ていると思われます。
神仏習合の時代ですから、六塵をふかい心の仁井田の神様が救って下さる、それは神の楽しみ
と言っています。しかし、按配をした弘法大師さんが、民衆の煩悩を救う楽しみなのかも
知れません。
《2014.6.27 周南市 東郭》

第37番札所 岩本寺は、高知県高岡郡四万十町茂串町3-13にございます。

岩本寺 山門 入り口

山門


金剛力士像
寺伝によれば、聖武天皇の勅を奉じた行基菩薩が、七難即滅、七福即生を祈念して、
現在地より北西約3kmの付近にある仁井田明神の傍に建立したと伝えられる末寺七ヶ寺を
もつ福圓満寺が前身とされる。仁井田明神の別当職(別当寺)であったことから、仁井田寺
とも呼ばれていた。
弘法大師がこの寺を訪ねたのは弘仁年間。大師は一社に祀られていた仁井田明神のご神体を
五つの社に別け、それぞれの社に不動明王像、観音菩薩像、阿弥陀如来像、薬師如来像、
地蔵菩薩像を本地仏として安置した。大師は、さらに末寺五ヶ寺を建立された。このことか
ら、福圓満寺等は七ヶ寺と合わせて十二福寺、また仁井田明神は仁井田五社と呼ばれていた。
《四国霊場会HPより》

本堂
藤井山 五智院 岩本寺(ふじいさん ごちいん いわもとじ)
宗派 真言宗智山派
本尊 不動明王、聖観世音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩
創建 天平年間(729年~749年)
開基 行基
住所 高知県高岡郡四万十町茂串町
本尊真言 “おん あみりた ていぜい からうん”
“ おん ころころ せんだりまとうぎ そわか”
“おん あろりきゃ そわか”
“ おん かかかびさんまえい そわか”
“ のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたら たかんまん”

納経帳



昭和53年に新築の際、全国から公募した花鳥風月から人間曼荼羅まで、
575枚の絵が天井を彩る。

地蔵菩薩と鐘つき堂

大師堂

大師堂

大師堂

聖天堂(歓喜天)

きょうも、お立ち寄り有難うございました。(礼)
次回は、38番札所 金剛福寺でございます。