廃業と廃番の思い出 story2
「せれなぁで」正義桜酒造・岡山
1819年(文政2) 創業の正義桜酒造が、1990年代にリリースしたアルコール度数10%の低アルコール日本酒。
8%〜10%程度の低アルコール商品は、くっきりとした甘酸っぱい輪郭を持つものがほとんどだった当時、「せれなぁで」は、やわらかくか細い酸を何層も重ね、スフマートしたようにミステリアスな透明感で私を魅了したものです。
甘く切ないメロディが聴こえてくる…… そんなお酒でした。
2004年(平成16)廃業。
この蔵は、廃業と同時に平喜酒造が買い取り、正義桜酒造の蔵元杜氏であった岡部氏は平喜酒造の正義桜蔵の杜氏として残り、その後、正義桜酒造創業180年を記念して1999年にリリースした「鯨正宗」をはじめ、いくつかの懐かしいブランドを平喜酒造の名のもとに復活させるに至りました。
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