世界中のアスリートに愛される「ナイキ」。
その始まりは、たった2人の挑戦からでした。
■ 1964年、創業者フィル・ナイトとビル・バウワーマン
フィル・ナイトは陸上選手として活躍し、大学卒業後に「日本製のランニングシューズは安くて質が良い」と気づきます。
彼は現地へ飛び、オニツカタイガー(現アシックス)と契約を結び、アメリカで販売を始めます。
これが「ブルーリボンスポーツ」という会社です。
一方、コーチであるビル・バウワーマンは「もっと速く走れる靴を作りたい」と試行錯誤を繰り返していました。
ついには、ワッフル型の焼き型を使って靴底を作るという斬新なアイデアを生み出します。
これが後の「ワッフルソール」の原型です。
■ ナイキ誕生とスウッシュマーク
1971年、オニツカタイガーとの契約が終了すると、自分たちのブランドを作る決意をします。
「ナイキ」という名前は、ギリシャ神話の勝利の女神から取りました。
ロゴマークである「スウッシュ」は、当時まだ学生だったデザイナー、キャロライン・デビッドソンが制作。
報酬はわずか35ドルでした。
しかし、この流れるようなデザインは「勝利」と「スピード」を象徴し、後にナイキを代表する象徴になります。
■ 売れない時代と転機
最初は全く売れず、ナイトは自分の車にシューズを積んで大会で販売していました。
しかし、ワッフルソールのシューズが注目を集め始め、徐々に人気が広がります。
■ JUST DO IT 誕生秘話
1988年、ナイキは「JUST DO IT」というキャッチコピーを発表します。
これは、死刑囚が最期に放った「Let’s do it」という言葉から着想を得たと言われています。
「迷わず、まず行動せよ」というメッセージは、多くの人々を勇気づける言葉となりました。
■ 世界的ブランドへ
1980年代、バスケットボール界のスター選手、マイケル・ジョーダンと契約し、「エアジョーダン」が爆発的にヒット。
一気にナイキは世界トップブランドへと駆け上がります。
■ 創業当時の写真から見えるもの
創業間もない頃の写真を見ると、フィル・ナイトがシャツ姿で靴を手に説明している姿や、ブルーリボンスポーツの看板が写っています。
今では考えられないほど小さな事務所でしたが、そこには「良い靴を届けたい」という情熱が溢れています。
■ まとめ
ナイキの成功は、
「走る人のために最高の靴を作りたい」という情熱から生まれました。
どんなに苦しい時も挑戦し続けた彼らの姿勢は、今もナイキのスローガン「JUST DO IT」に受け継がれています。