お~い~ サム (^^)/ | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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公式ハッシュタグ 令和6年6月6日 骨董品ランキング1位 

  日本の火縄銃には,深い藪や生い茂った山林の中から正確な狙撃するため「藪おおい」とか「藪しのぎ」と呼ばれる付属装置がある。

 

「藪おおい」 を取り付けた火縄銃

 

 

「藪おおい」は,細長い竹で作られ,銃身の上に置いて用いる。細長い竹の下には四角の穴が開けられ,突き出た元目当てにピタリとかぶさる仕組みになっている。これを取り付けると鉄砲を逆さまにしても外れることはない。それほどピッタリに穴が切られているのだ。

 

 

 

 射撃時には,この竹の穴から標的を見通して狙いをつけるのである。そういうと鉄砲に詳しい人は,ピープサイトと呼ばれる穴照門のことかと思うかも知れないが,そうではない。「藪おおい」を用いて標的が狙いやすくなるかどうか実験してみたところ,そういう事は無かったという。「藪おおい」という付属部品は,射撃時に生い茂った葉や枝が視界を遮るのを防ぐための道具であると結論付けていいのだろう。

 

「藪おおい」を用いない照準

 

「藪おおい」を用いての照準

 

 私が「藪おおい」と呼ばれる付属部品を見たのは,長い研究生活の中でもただの一度だけしかない。この「藪おおい」は,私の盟友の厚木の研究者が所有しているものである。おそらく日本に現存する「藪おおい」は,この写真のものしかないだろう。

 昨日,インディアナに住む火縄銃研究者のサムさんから「藪しのぎ」を自作したいとのことで問い合わせがあった。そこでお話しした厚木の研究者に資料提供の協力をお願いした次第だ。この記事で私が書いた内容は,その研究者御本人の研究成果なのである。