仙台藩丸森鉄砲隊と外部講師 | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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 宮城県丸森町にある私設博物館の『金山城伊達・相馬鉄砲館』が設立した仙台藩丸森鉄砲隊は,動く博物館である。この鉄砲隊は,火縄銃演武の実技は白石市に本拠を置き不易流砲術を伝承する片倉鉄砲隊から指導を受けている。この外,火薬を使用しない射撃の型の稽古や座学は,当館館長が月に二回指導している。

 

旗揚げ時の仙台藩丸森鉄砲隊の面々

 

 また第一回の外部講師の講演は,一昨年の火縄銃射撃のチャンピオン(正確には全日本前装銃射撃競技選手権大会総合優勝者)のH多さんにお願いした。千葉にお住まいのH多さんは手弁当で講師を引き受けくれた。交通費,宿泊費,日当など全てがH多さん持ちなのである。H多さんは,私財を投げ打ち日本各地の火縄銃演武に手弁当で参加し,精力的に火縄銃演武を盛り上げようとしている。それが彼の大義であり,彼にとっての社会貢献なのである。

 

三十匁大筒の演武をするH多さん

 

 秋には日本有数の銃砲史研究家の須川薫雄先生が,外部講師として丸森町へやってきて当館の鉄砲隊に火縄銃の講義をしてくれることになった。もちろん掛かりは,すべて手弁当で,須川先生持ちである。H多さんも須川先生も火縄銃愛好者の裾野を広げたいとの真心と他者貢献の強い志をもった方なのである。「預金通帳の残高が増えても幸せにはなれない。お金で買えない幸せはたくさんある。」とH多さんはよくいう。そこにいくと,当館館長は,コスッカライから,こんなうまい話は,そうあるものではないと思ったのである。

 

二十年前の須川薫雄先生

 

 須川先生の講義を当館の鉄砲隊だけに聞かせるのは,あまりにももったいない。当館が白石城三階櫓を丸ッと借りきって,須川薫雄先生の無料講演会を主催しようと計画を立て始めた。またまた大赤字を喰らうことになるが,当館の大義を実現するためだから已むをえまい。