公式ハッシュタグ 令和三年5月11日 骨董品ランキング3位
ここ数か月の間,海外の火縄銃愛好家や研究者らからメッセージを頂いている。その中でも特に素晴らしいと思ったのは,米国オクラホマ州在住のアーサー・ゲッツ君である。彼は。甲冑師とガンスミスであるようだ。
アーサー・ゲッツ君の工房
火縄銃を銃床を作っています。二本並んだ台木の左側には,
自作したフイゴが写っています。
銃身も手作業で鍛造する気ようです。(◎_◎;)
ご本人は、「どちらもアマチュアです。」と謙遜するが,腕の良い技術者であることは間違いない。今は,サイカアーモリーという商号でビジネスを展開している。日本語で訳すと雑賀造兵厰となるそうで,彼のフェイスブックのプロフィール写真にもそう書かれている。
彼は,紀州の鉄砲と雑賀鉢と呼ばれる紀州の鎧兜に特化した研究をしているらしい。2018年にオクラホマに転居する以前は,京都に2年間住んでいたから,日本の火縄銃にも造詣が深い。私が彼を素晴らしい人物と確信したのは,彼が製作した紀州鉄砲の照準器を目にしたからである。私は,その出来栄えの美しさに驚いてしまった。
紀州鉄砲の照準器 (リアサイト)
彼は,機械を使わずに手作業だけで,この照準器を作ったというから,その腕前と根気は尋常ではない。ガンスミスというよりは,行動する研究者と言った方がより適切だろう。
昨年の12月に工房の商号を降ろしてしまったが,北の札幌にも,手作業に拘る優秀な火縄銃の修繕技術者がいる。アーサー・ゲッツ君と札幌のその技術者とを飲ませてみたら,面白かろうとも思った。おそらくは,朝までロシア語混じりの日本語と英語が飛び交い喧々諤々の面白い飲み会になることだろう。
アーサー・ゲッツ君
アーサー・ゲッツ君のフェイスブック Saika Armory - Home | Facebookは,日本の火縄銃愛好家には好適の情報源である。ぜひアーサー・ゲッツ君のフェイスブックを訪問していただければと思う。
いやはや,地球は,本当に狭くなったものである。逆の見方をすれば,インターネットは地球大まで拡大したというべきであろう。