私は,ボロ鉄砲を愛する | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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 私は筋のいいボロ鉄砲を買うのを好む。ボロ鉄砲なら安いからというのもあるが,それを整備すると,いい暇つぶしにもなるからだ。そしてそのボロ鉄砲がうまく整備できれば,また日本の火縄銃を守ったという満足感で心がいっぱいになる。

 しかし,そんな奇麗ごとだけではない。整備してみたら,ボロ鉄砲ではなく,実はとてもいい鉄砲だったということが,しばしば起こるからでもある。例えば,七万円で買った鉄砲がきちんと整備したら二十数万円の鉄砲に化けたりすることは少なくない。濡れ手に粟の大儲けである。

 昨年,オッショーサンから鉄砲の部品類を山ほど譲ってもらったから,今はかなり強気だ。金属加工技術のない私だが,これさえあれば,火蓋や火挟み,用心金などの部品が欠落している鉄砲でも,強引に修繕することが出来るようになったのだ。これは,私のボロ鉄砲好きに,さらに拍車をかけることになった。

 

鉄砲の部品の山

 

 今や私のボロ鉄砲好きは,ほとんど病気である。またネットオークションでこんな鉄砲を買ってしまった。『摂州住 芝辻□右衛門□□』と鉄砲鍛冶の銘が切られている鉄砲だ。□の所は錆たり朽ちたりして読めない箇所だ。

ネットオークションで購入したボロ鉄砲

 

 これを見た時,私はピーンときた。その読めぬ個所の錆を落として読めるように整備してみようと思ったのだ。整備した結果銘が読め,その銘が『芝辻清右衛門妙西』か『芝辻理右衛門道逸』だったら大もうけだと思った。二人とも戦国時代に活躍した鉄砲鍛冶の名工だ。特に芝辻清右衛門妙西は,堺鉄砲の祖と言われた人である。芝辻理右衛門道逸は,その息子で,堺五鍛冶の一人である。もし『芝辻清右衛門妙西』の鉄砲だったら,金に糸目をつけないで買いたいと思う人はいっぱいいるだろう。ハハハハハ,またまた,大儲けの臭いがする。