北海道で狩猟三昧の生活を送っているKさんは,毎朝,日の出の5時半頃には家を出て,車で狩り場を駆け巡る。鹿は,眼に反射板があり夜も活動でき,特に薄明暮に活発に動き回るから,狩猟が許される日の出直後が狙い目なのだ。
早朝に活動するエゾシカ
シカは危険を感じると、白い尻毛が逆立ちます。仲間に危険を知らせるため
といわれていますが,ハンターにとっては,良い目印になってしまいます。
エゾシカは耳がいいが,目が良くない。車の音がするとササ藪から首を出して,「なんだ?なんだ?何者だぁ~?」と周囲を確認するのだという。K さんは,それを見つけると遠射用のサコーのライフル銃を持って忍び寄り,ズドンとやるわけだ。そんなズボラな猟で活躍するのが,北海道に行ってから手作りした令和一式鹿獲り偵察戦闘車である。この車の荷台のシートの下には007もびっくりの秘密装備が隠されている。
出撃前の令和一式鹿獲り偵察戦闘車
電気が点いているのが,Kさんの温泉付き別荘。
この鹿獲り偵察戦闘車は,スズキの軽トラック,スパーキャリアをベースとしている。軽トラのくせに4WDで,小回りがきくから日本の狭い林道では,調法この上ない。荷台には,200メートルのロープと船の錨を巻き上げるのに使うアンカーウインチが取り付けられている。
偵察戦闘車の秘密装備 (シカチャンには内緒)
この外,車体前部にも脱出用ウインチが取り付けられている。
シカが獲れれば,その体にロープをくくりつけ,アンカーウインチでズルズルと山の中を引っ張り上げてくるのだ。そして荷台の前部に取り付けたクレーンを展開して,獲物を吊り上げて荷台に積み込むのである。
シカチャンのV字開脚と展開したクレーン
クレーの下の緑色の筒状の物が,アンカーウインチ
この偵察戦闘車には,まだまだ様々な装備が組み込まれているが,それはまた別の機会にお話しよう。