-1年3か月前、まつやま-

自分はぐらげき長と呼ばれていた 自分にこの役が務まらないことなど、最初からわかりきっていた 責任感、緊張、プレッシャーに何度も押し潰された その度に弱い己を恥じた 学校を恨んだ 伝統を憎んだ 弱音など口にしたらきりがない フラフラになりながらも精一杯笑顔でいようと努めた どんなにつらくても、苦しくても 不思議と妥協という選択肢はなかった なぜなら、自分には絶対的に信頼している4人の仲間がいた 仲間と一緒なら、何でもできるような気がしたからだ しかし努力は報われなかった 後悔はしていない その努力はしっかりと未来に繋がっていた 心から信頼できる仲間を得ること 自分の限界を知ること 自分が東高で得たそれらは、未来を生きる上で大きな財産になる これから何十年もの時が経ち、記憶や思い出が消えてなくなろうとも 私たちは東高で得た財産を胸に また一歩未来に挑戦できる この記事を最後まで読んで下さった皆様 そして管理人の副グラ劇長外くん 本当にありがとうございます。 このブログが終わっても、私たちはきっとあの精神のもとで繋がっています がんばっていきまっしょい!

それは男が中学校の修学旅行で、おきなわを訪れたときのことである。



まだ4月だというのにここおきなわでは歩いているだけで汗がにじむ。


もうこちらでは海が開いていると聞き、その日の午前中にはクラス全員で浜辺散策に行った。


さすがに水着が無いので誰も泳ぎはしなかったが、その海の形相と言えばもう夏でもおかしくは無かった。


そして曲者は何処にでもいるもので、カッターシャツに半ズボンのまま、海に飛び込んでいく人間もいた。


それに続けと言わんばかりに、クラスの男子の大半が次々に海へ飛び込んだ。



男はひとり浜辺を歩きながら、そんな彼らの姿を遠目で眺めていた。


男はたとえ彼らに「一緒に泳ごうぜ」と言われても、適当な理由をつけて断っていたに違いない。


もちろんそんなお声がかかるわけも無いし、あいにくそのようなノリも持ち合わせていないのだ。


気づけば隣で、旅行にあわせて頭をスポーツ刈りにしてきた担任の教師が、浜辺に寝転んで「沖縄最高やなぁ、みんな!」と叫んでいた。


男はその姿にあきれながら、ふと思った。



―『みんな』?



彼は誰に向けてその言葉を投げかけているのだろう。


クラスの男子ははるか遠くで海に浸かりながら水の掛け合いをしている。


女子は女子で浅瀬の岩場で談笑に徹している。


彼の近くには、さしあたり自分ひとりしかいない。



男は、担任がこちらを振り返って満面の笑みを投げかけてくる・という最悪のシナリオを回避するために、そそくさとその場を去ろうとした。


が、どうしても振り返りたい衝動に駆られ、5歩ほど進んでちらりと振り返った。



しかし担任の教師は相変らず仰向けで浜辺に大の字になって青空を眺めていた。


彼がし得る最高に幸せそうな顔をしながら、ただ青空を眺めていた。



男は少しだけ安堵した。しかしそれと同時に1つの感情が沸沸とこみ上げてきたのを感じた。


そのときにはその感情が何を意味するのか男には理解できなかった。


しかしそれが分かった今、その感情に名前をつけるとするならそれはきっと『羨望』の二文字だったのではないか、と思う。


今は別の県に転勤してしまったその教師に、あの時何か一言かければよかったのかもしれない。


そう、結局はいつも後の祭りである。


何故なら、最初から“物語”なんて決められた物語はどこにも存在してはいないからだ。









    コミブロ最終回企画 『 One Emblem Has More Stories 』


       第9説~“リアル”とは筋の通らないフィクションのことを言う~









 ―4年前の春、おきなわ―



午前中の浜辺散策の後、午後は「こくさい通り」と呼ばれる商店街での班ごとの自由行動となった。


男は、これといって見たいものもなく、班員につられてあれこれと目移り次第店を回った。


その中で、班員の中の1人がどうしても前々から行ってみたかったという雑貨屋に立ち寄った。


その店は、たまに芸能人が旅行がてらお忍びでやって来るというそこそこ人気の隠れ家的な店だった。



例の班員は、店に入るやいなや店内の「Tシャツコーナー」に駆け足で向かった。


どうやらこの店はパロディTシャツがそのウリだったようだ。


男は特に興味も無かったので、偶然目にとまったTシャツを一枚購入した。



しかしその数分後、その他の班員から、ある提案が持ち上がった。


それは、『友情不滅』の文字が背中にプリントされたTシャツを、班員全員で買おうというものだった。


「思い出にね」


と例の班員は恥ずかしそうに言った。


しかし男はたった今『海人』とプリントされたTシャツを個人的に購入したばかりだったので、その提案を「ごめん」と断った。



後になって分かったのだが、これは大きな失敗だった。


この班員とは、旅行から帰った後も、ギクシャクした関係になった。


それと同時に、帰って数日でそれにつられるようにクラスの中で友達の数も減った気がした。



旅行から帰って数週間後、男の気の沈みようを見かねた例の担任教師は、男を職員室に呼びつけてこんな話をした。


「いいか、人生は一本の線路だと思ってみろ」


その突拍子も無い発言に、男は戸惑った。


相変らず幸せそうな顔をして、担任の教師はこう続けた。



「人生はどこまでも続く一本の線路なんだ。


 真っ直ぐな道に見えて、案外曲がりくねったりしている。


 その線路の道中には、予想もしない事故が起こったり、とんでもなく長いトンネルに出くわすことがあるだろう。


 だが、その長いトンネルを越えた先には」



担任はそこで一呼吸置いて男をじっと見た。男は初めて真正面からその教師の顔を見た気がした。


その目は自分の顔以外何も写してはいなかった。その視線に全く曇りはなかった。



「その長いトンネルを越えた先には、とてつもなく素晴らしい景色が待っているんだ。


 想像を越えるような美しい景色と、我々を温かく受け入れてくれる『駅』の姿がね。


 人には誰にだって目指すべき『駅』があるんだ。


 それを見つけることが、きっと生きるってことなんだろうな」



そう言って担任の教師は「次の授業があるから」と男を教室に帰らせた。男はただ肯いて職員室を出た。


こんな直情型の教師に諭されるつもりはなかったのだ。


しかし、男は行き場のない嘆きに対する1つの答えを、この担任の教師に手渡された気がした。




「誰にも目指しているゴールがある」



そんなことばを唄った歌謡曲がヒットチャートを賑わしたのはちょうどその1年後だった。


男はこれだ・と思った。


高校一年になった男は、書道の授業でこの言葉を書き綴って一枚の壁紙を作った。


男はすぐに部屋に飾った。


ここまつやまひがしで生きていく上でのたった1つの指針にしよう、そう思った。


振り返れば、これが唯一、中学校で学んだ「たいせつな事柄」のような気がしたからだ。



「誰にも目指しているゴールがある」


そのフレーズを口ずさむたびに男は担任教師のあの幸せそうな笑顔を思い出す。





―continued to 第10説 and back to 第1説??? ///

こんにちは(* ̄∪ ̄*)
9月にコラムを書かせていただいた、元ほにゃクラスの本田です。お久しぶりですTωT)ノ~~~


コラムから3ヶ月…私のなかで色々なことがありました★

♪披露宴会場のバイトを始める
♪大学生活初の学祭でオムフランクを売る
♪京都の寒さにやられ、朝起きられなくなる
♪オケでアンサンブル演奏会をする
♪オケの演奏会が近付いてきて焦る(1月に定演します!)
などなど。


4月からほんとあっと言う間に月日が流れていきました。
高校時代も楽しかったけど、大学もめっちゃ楽しい↑楽しみすぎて人より長く在学することだけはしないように、気を付けます( ̄人 ̄)笑




でゎ、短いですがこのへんで。みなさん、寒いので体調に気を付けてお元気で(*´艸`)★








あ~!年末年始の帰省が待ちきれないッ(p´□`q)=3

どうも、外です(^ー^)


さて皆さん、水曜日と言えば・・・?


・・・


そうだね、プロテ○ンだね!


というノリはこの際控えておきましょうw



どうやら、これが最後のフォトレターになってしまうようです(´・ω・`)


今まで写真を送ってくださった皆さん、どうもありがとうございました!


今回は言っていたとおり、松山の綺麗な風景を思う存分お届けしたいと思いますw


では早速紹介。







                       大学コミュニティブログ。feat.元・東高生

                            「花園町の彩り」


                            秋度:★★★★

                       シャッターセンス:★★★★



             松山からの投稿。少し前に送ってもらったので、季節は秋です。


     美しいイチョウ並木もさることながら、後ろに何気なく映った路面電車もいい味出してますw


                  後ろの工事中の建物もなんだか気になります。








                        大学コミュニティブログ。feat.元・東高生

                               「冬の石鎚」


                               冬度:★★★

                          雪の積もり具合:★★


       だんだん季節が冬に移り変わっていますね。これがだいたい11月の終わりでしょうか。


      もちろん奥に見える山は石鎚山ですw中学校の林間学校で登ったのを思い出しますね。


                  ちなみにこれがもっと冬になるとこうなります↓





                        大学コミュニティブログ。feat.元・東高生


                             冬度:★★★★

                        スキー適合度:★★★★


                  こうなればスキー・スノボーにもってこいですね。


   東北地方では体育の授業の一環でスキーをやるみたいで、四国民の自分としては正直解せないですw








                       大学コミュニティブログ。feat.元・東高生


                           「黄昏の我が母校」


                           懐かしさ:★★★★★

                      あの頃のにおい:★★★★★


          これは去年、受験勉強で疲れた自分がふと教室の窓から撮った写真です。


    松山東高であれこれ頑張ってたあの頃の自分は、何より輝いていたな・と今になって思います。


      大学生活を送る中で、何か見失ったかも・と思うとき、この写真を見るようにしています。


            何かに一途になる心はいつまでも持っていたいですよね(^-^)






さて、これで3月からやってきた「フォトレター」のコーナーはここで終了です。


今までこのコーナーに写真を送ってくださった方々、本当にありがとうございましたm(_ _)m


各都道府県の地域独特な写真に、毎回楽しませてもらいましたw



「フォトレター」のコーナーで伝えたかったこと。


それは何より、「故郷の温かさ」だったのかもしれません。


これからも松山の風景を大事にしていきたいものです。




さて、話は変わって、コミブロ最終章の物語はとうとうクライマックスへ。


男の下す決断は何を生んだのか。


男を迎える予想外のゴールとは。


そして男にとっての“まつやまひがし”とは何だったのか。


全ての物語が1つに収束します。


最後に重大発表もありますよ!



それでは。




男はあまり勝ち負けにこだわらない人間だ。


しかし、あるときこう思った。



―「せめて自分には勝っていたい。」



自分の過去、自分の弱さ、そして自分の未来に対する不安、その全てに打ち勝つ力が欲しい。



―「勝ち抜く・んだ。」



人は、過去を悔やむことはできても、未来を悔やむことはできない。


未来に繋がる「今」を「勝ち抜く」力が必要だ。



男はそう思い、覚悟を決めた。


これを見るすべての仲間が自分の今を「勝ち抜」けるように。


そう強く願って。









    コミブロ最終回企画 『 One Emblem Has More Stories 』 


                第8説 ~BLOG works me.(後編)~










 ―1年3ヶ月前、まつやま―



ぐらげき製作段階で、男はひとつの問題を発見した。


それは劇中で使う「十字架」を、どのように悪役の上に正確に落下させるか、という問題だった。


その十字架はあらかじめ舞台の上部に設置してあり、主人公が銃を撃つと同時にそれが落下する、という仕組みだった。



しかし、実際に銃を撃つわけではないのだから、どの作用力で十字架を落とすのか。


そんな時、1つの意見が提示された。



「誰かが後ろで十字架を支えて、主人公が銃を撃つと同時に、それを離して落下させよう」



しかしこの案は様々な危険をはらんでいた。


1つは、さすがに人間がそんなものを支えていたら、見ている人にネタバレするのではないかという危険。


2つ目はタイミング的にうまく落下させることが困難であり、かなりの技術を要すること。


そして何より、舞台が手作りとは言え、3メートルの高さがあるため、上で支える人にかなりのリスクがあること。


そんな役を誰が買って出るだろうか。



男は考えた。


自分が誤って舞台から落下でもしたら、来年からぐらげき自体中止になるだろう。


しかし最大限の注意を払い、かつ残りの3人のパートナーを心から信用すれば、やりきれるのではないか。


男は思った。


「これはチャンスなんだ」と。


もう逃げることはできない。



その案が提示されてみんなが黙ってしまってから数秒後、男はこう叫んだ。



「俺、やります」



残り3人のパートナーは、男を数秒見つめ、「任せた」とだけ呟いた。


その日の夜は、4人で念には念を入れて予行練習を繰り返した。何度も、何度も。


気がつけば夜が明けて日が昇っていた。



運動会当日、疲れが出たのか、男は熱を出した。


しかし午前の部全てに参加し、いち幹部として応援にも力を入れた。


そして迎えたぐらげき本番5分前、男の熱は頂点を迎えていた。体がフラフラして視点が定まらない。


しかしここまできたらやるしかない。



5分後、我がチームのぐらげきが始まった。


順調に一つ一つの動作、場面が展開されていく。


出演する全ての仲間達に緊張感が広がり、空気が張り詰める。


そして例の場面が刻々と近づいてきた。



男は舞台裏でひとり目をつむった。


脳裏に、今まで繰り返してきた練習の日々を思い描いた。


この場面が成功して飛び上がって喜ぶ仲間の姿を思い描いた。


別のチームで戦っている友「おかやん」の姿を思い描いた。


そして3年前、満開の桜で彩られたまつやまひがしの門をくぐった自分の姿を思い出した。


あの時の期待は、自分をここまで導いた。



―俺の帰る場所はここだったんだ。



男は目を開き、十字架を抱え、高さ3メートルある塔の頂上へ上り始めた。


不思議と体が軽くなった気がした。熱が吹き飛んだのかもしれない。



塔の頂上についた男は、十字架を前に突き出しながら、観客を眺めた。


そこには、一場面一場面に息を呑み、純粋に自分達の劇を楽しんでくれているひとたちの顔があった。


男は思った。



―自分は間違ってなかった。ここがあの“まつやまひがし”なんだ。



とうとう例の場面がやってきた。男は予定通り銃声と共に十字架を落下させた。


が、十字架は悪役の上には落ちなかった。


舞台の何も無いところに落ちてしまったのだ。


やってしまった・と男は瞬間思った。



しかしその十字架を、悪役の女の子が拾い、何事も無かったかのように倒れている彼女自身の上に乗せたのだ。


そこで爆笑が起こった。


そのユーモアさが観衆の心をつかんだらしい。


男は舞台裏で見つめるぐらげき長の顔をふと見下ろした。


彼女は笑っていた。


泣きながら、笑っていた。


男もつられて笑った。生まれて初めて、嬉しくて涙が出た。


男は、誰にも見られないように、泣きながら、笑った。


男は、“まつやまひがし”の運動場の中央で、ただ泣いて、笑っていた。





―continued to 第9説///