一昨日、歯医者さんで乳歯を抜いてもらいました。
これまで銀歯の下で頑張ってこられましたが、とうとう限界がきたようで「抜いた方がいいですよ」と。
ということで現在歯抜けばぁさんな私は、
小さい頃から歯医者が好きだったりします。
椅子に寝かされて、何をされているか分からないまま、ただ、されるがままな時間。
今日の治療は痛いのか、痛くないのか、心に走るドキドキ感。
カップを置くと自動で出てくる水。
近未来的なアームやいくつものノズル(みたいなやつ)。
トレイに載せられた色とりどりのガラス瓶や治療器具。
そしてあの独特のニオイ。
ここ最近はあまり強く嗅ぐことが少なくなったように思いますが、
治療後の詰め物や、
青だか緑だかのガラス瓶から取り出されたコットンからでるあのニオイ。
たまりません。
大人になり、アロマテラピーを知り、クローブの精油を嗅いだとき、
衝撃が走りました。
「あのニオイじゃん」
そんなクローブのニオイについて、まとめました。
*
【クローブ】
フトモモ科の植物で、花蕾から水蒸気蒸留法によって精油を取り出します。
インドネシアのモルッカ諸島原産。
スパイスとしては、乾燥させた花蕾を風味付けや腐敗防止目的で使用する。
これこれ。
いっとき、クローブをお米に混ぜて炊くのにハマったことがあります。
というか、そのようにしか使ったことがない…
クローブの香りについて。
『ビジュアルガイド 精油の化学(フレグランスジャーナル社)』によると、
オイゲノール:70%
β-カリオフィレン:5%
α-フムレン、チャビコール、メチルオイゲノール、フムレンエポキサイド、酢酸ターピニル、α-クベベン、α-ムーロレン:各1%以下
その他の成分:23%
主成分のオイゲノール、これが「歯医者さんのニオイ」の正体です。
ほかにもオイゲノールを含む精油は色々とありますが、
ここまで多く含んでいるのはクローブのみ。
オイゲノール=クローブの香りと言って、差し支えないでしょう。
ちなみにほかには、ジャスミン、シナモン、金木犀、ローズなどに含まれます。
麻酔作用、鎮痛、抗炎症などの効果を示しますが、
それよりも目に止まったのが「メラニン生成抑制効果」。
どうやって使うんだろう…
非常に皮膚刺激のある精油なので、ごくごく微量でしか使えないはず。
そして、そんなので効果があるのか気になるところです。
もうひとつ気になる成分、β-カリオフィレンについて。
セスキテルペン類で、ほとんどの精油に存在する成分です。
木のような香り、ウッディーノートを与えるので、
パチュリやジュニパーなど、「木」を感じる精油にはやはり多く含まれているようです。
(そんなに強い香りではない)
『アロマテラピー精油辞典(成美堂出版)』には、
植物中には存在せず、水蒸気蒸留中に生成される成分だと書かれていました。
『β-カリオフィレン』で検索すると、
ヘンプ、大麻に関するページがずらりと出てきます。
急にうしろめたい気持ちになりつつクリックすると、
ヘンプ(麻)に多く含まれるため、大麻の香りとして名高くなっているようでした。
β-カリオフィレン自体は全く違法成分ではありませんが、
カリオフィレンが代謝されたカリオフィレンオキシドは、麻薬探知犬が大麻を特定するときに手がかりとなる香りだそうです。うっかりクローブ精油を服に付けて出歩いたら、吠えられてしまうのでしょうか。
ヒヤヒヤします。
β-カリオフィレンの効能としては、
肝臓保護、通経、抗がん、抗炎症、麻酔効果などが挙げられています。
ここでも麻酔効果です。
先ほどのオイゲノールとあいまって、
クローブの麻酔っぷりが伝わってきますね。
クローブを入れたうがい水でも作ろうかと思いましたが、
スポイトが見つからず断念…
歯抜けたあたりに違和感を感じるあいだは、
こまめに鼻腔から吸入したいと思います。
吸入の際、鼻を近づけて過ぎて肌に付着したら、飛び上がるほどシミました。
気をつけてください。
気休めくらいには、なってくれるかな。
mi.