今週から仕分け週間が始まる
天下りは認めない」民主党が強気だったワケ
2009.11.29 20:16 産経新聞 政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)が実施した「事業仕分け」は、天下り法人への切り込みが目立った。官庁OBを抱えている独立行政法人や財団法人に委託する事業は、内容よりも「天下り」の言葉が先行し軒並みバッサリ。郵政会社社長に旧大蔵省OBをすえて批判を受けたことを跳ね返えそうとするかのように「天下り」には厳しい判定が相次いだ。 「天下りは何人いますか」「天下りを繰り返す財団に随意契約で公金を支出する合理性は認められない」「天下り公益法人を利用したモデル事業だ」 9日間繰り広げられた事業仕分けで「仕分け人」たちが最も鋭く攻め込んだのは、天下り問題だった。 仕分け用の事業シートには、各事業の実施主体となる独法、財団法人、公益法人などの名称を記す欄が作られ、役員数とともに、官庁OBの役員数を書き込む仕組み。シート自体が「天下り」のあぶり出しを狙っているのは明白だった。 厚生労働省のグローバル人材育成支援事業では、請け負った財団法人「海外職業訓練協会」が対象。資料で協会役員20人のうち5人が官庁OBと記されると、仕分け人は「天下り財団に委託することが問題」と正面から切り込んだ。 同じ厚労省の「若者自立塾」事業(概算要求額約4億円)は、受託する日本生産性本部が27人の天下りを抱えているとした資料が配布され、「丸投げで事業委託する必要性は疑問」「生産性本部への手数料が過大だ。お金が先で事業は後付け」と、官庁OBに仕事を作るための事業と断罪して事業廃止に追い込んだ。 文部科学省所管の独法「国立青少年教育振興機構」でも、民間仕分け人の藤原和博東京学芸大客員教授が「人件費感覚がずれている。理事長や理事は何人いて、天下りは何人いるのか。平均年収は」とたたみかけ、文科省担当局長は「理事8人のうち2人が文科省OB」と“告白”。事業廃止ではなかったが「自治体、民間に移管すべきだ」と切り離された。 外務省の日本国際問題研究所には「外務省の丸抱え機関」。国際協力機構(JICA)への運営交付金の議論では「JICAには大変厳しい目が向けられていることをわかっていただけたと思う」と厳しい発言が相次いだ。 仕分けの統括役、枝野幸男衆院議員も「廃止や縮減となった多くは、独法や公益法人のピンハネや天下りが問題。予算縮減の理由や根拠はしっかり示せた」と胸を張った。 民主党は先の衆院選マニフェスト(政権公約)で天下り根絶を掲げたが、政権獲得後の10月には、郵政会社社長に財務省OBを据えて世論の批判を浴びたばかり。仕分けで「天下り」に強い姿勢を示さざるを得ない事情があった。 政権獲得以前に民主党議員が語っていた巨額が無駄減らしが今回の仕分けでできなかったため「これからも天下り法人を狙って、無駄な予算を徹底的に削るしかない」(民主党中堅)との声もある。