陰キャ起業家は“お金だけでなく、自尊心”が生命の源、判断基準。(どん底から成功へ導く、起業家コンサル 杉本幸雄)



朝の光がまだ輪郭を持たない時間帯が好きです。 自由が丘の高台にある部屋の窓を開けますと、街はまだ眠っていて、空だけがわたしの存在に気づいているように思えます。 


 ブラックコーヒーをそっと置き、深く息を吸います。 この静けさは、わたしの人生のどん底を支えてきた、自分の中の相棒のような存在です。


わたしの人生は、

幼少期から30年間、どん底の連続でした。 空腹、孤立、労働。 


 これらは、まるで季節のように巡り続けました。 春が来ても、夏が来ても、状況は変わりませんでした。 

 ただ、働き、耐え、毎日があるだけの日々でした。


社会に出てから、

わたくしは正社員だけでも10社以上転職しました。 文系人気No.1の大企業も含めて、渡り歩きました。


 しかし、どこへ行っても、わたしは会社員としては失格でした。 人と群れることができず、組織の空気に馴染めず、雑談の意味も、飲み会の必要性も何もかも理解できませんでした。



 陰キャ歴は気づけば、50年間を超えていました。

会社員失格のわたしは、仕方なく起業しました。 選択肢が尽きたというより、道がそこにしかなかったのです。 履歴書を書くのも面接に行くのも、馬鹿馬鹿しく想えたからでした。


一人ぼっちで働くことが向いていたのだと思います。

 誰にも気を遣わず、誰の指示や命令にも従わず、ただ自分の責任だけを背負う。 

 それは、わたしにとって自由でした。


起業して20年。

 法人を設立し、経営コンサル会社を続けてきました。

 商業出版は6冊。

 売上加算は累計110億円。 

 コンサル指導セッションは2万回。 

 毎日更新のビジネスブログは、一日も欠かさず16年目に入りました。


 気づけば、

わたしの人生は「積み重ね」でできていました。


二つの内向型コミュニティも創設しました。 

 「陰キャ✕自由が丘」と、「内アカ」。

 どちらも静かで、淡々としていて、必要なことだけを話す人たちが集まります。 ただ、勉強をするだけのコミュニティ。 本質重視の実力者ばかりが集います。わたしはその空気が好きです。 静けさの中に、強さがあるからです。



毎朝、自由が丘の高台から空を眺めます。 緑道を歩き、駒沢オリンピック公園まで往復一時間。 

 歩きながら瞑想します。 

 「世界中のみんなが満腹でありますように」と、願います。 


 わたしはずっと空腹でしたから、満腹という状態がどれほど尊いか知っています。

優しくなれます。

しあわせを感じることができます。

 だからこそ、機会の平等が欲しいのです。 


 誰もが、自分の人生を選べるように。



そんなわたしが、内向的な起業家に伝えたいことがあります。


 陰キャ起業家は──

“お金ではなく、自尊心”が生命の源であり、判断基準になるということです。お金はもちろん必要です。 

 しかし、お金は判断基準にはなりません。 お金は交換ツールであって、目的でも結果でもありません。



 わたしを50年間以上支えたのは、

お金ではなく、自尊心です。 


 「自分はまだ終わっていない」という、静かな確信でした。

自尊心は、誰かに褒められて育つものではありません。

 実績で育ちます。 積み重ねで育ちます。 孤独の中で育ちます。 誰も見ていない場所で、淡々と続けた努力が、自尊心の根になります。


陰キャ起業家は、派手な勝負をしなくていいのです。 大声を出さなくていいのです。 群れなくていいのです。 


 ただ、自分の静かな自尊心を守ればいいのです。 それが判断基準になります。 それが生命の源になります。



わたしは今日も、静かにコーヒーを飲みます。 どん底の記憶は消えませんし、いつまでも苦しいです。 この長い闘いが、わたしの自尊心を育ててくれています。


空は今日も淡い色をしています。雨が続いています。 社会は、まだわたしの存在に気づいていません。 


 しかし、それでいいのです。 静けさの中で、自尊心はよく育ちます。