内向型起業家の言語化は“行動の設計図”

起業家コンサルタント杉本幸雄



わたくしという設計図の話

わたくしは、長い間、自分の人生を「静かな部屋の中で、考えて組み立てるタイプの起業家」だと思ってきた。  
世の中には、
外向的で、声が大きくて、会議室の空気を一瞬で自分の色に染めてしまうような起業家がいる。  
そういう人たちを、わたくしはどこか羨ましく眺めていた。  
けれど、
羨ましさと同時に、彼らのやり方はどうしても自分の体質に馴染まなかった。

わたくしは、静かに考える。  
静かに観察する。  
静かに言葉を選ぶ。  
そして、静かに行動する。

その静けさの中で、
わたくしは起業家としての実績を積み重ねてきた。  
派手なプレゼンよりも、丁寧な設計図。  
大きな声よりも、深い洞察。  
瞬発力よりも、持続力。  
そういうものを武器にして、わたくしは仕事をつくり、事業を育ててきた。経営を継続してきた。


言語化という行為は、
自分にとっての“呼吸”

ある時期から、
わたくしは自分の想いや考えを言語化することに、異様なほどこだわるようになった。 中1くらいからだ。

それは、誰かに見せるための文章ではなく、わたくし自身が自分の行動を理解するための文章だった。

言語化とは、
わたくしにとって“呼吸”のようなものだ。  
息を吸い、吐くように、思考を言葉に変換する。  
そうしないと、わたくしは自分の行動の意味を見失ってしまう。

内向型の起業家は、
外側の刺激よりも内側の構造に依存して生きている。  
だからこそ、言語化は「行動の設計図」になる。  
言葉を組み立てることで、行動の順序が見える。  
行動の順序が見えることで、未来の形が見える。  
未来の形が見えることで、わたくしは安心して歩き出せる。


わたくしの人生目的は、静けさの中にある“構造”を世界に渡すことだ

わたくしは、これまでいくつかの事業を立ち上げてきた。  
そのどれもが、派手な広告や大きな資金調達とは無縁だった。  
代わりに、わたくしは「構造」をつくることに集中した。  
人が迷わず動けるようになる仕組み。  
複雑な問題を、静かにほどくための手順。  
混乱した状況に、ひとつの道筋を与えるための言葉。

わたくしの人生目的は、そうした“静かな構造”を世界に渡すことだと思っている。  
それは、誰かの人生を劇的に変えるような派手なものではない。  
けれど、確実に役に立つ。  
そして、長く残る。

わたくしは、そういうものをつくることに向いている。  
向いているというより、そういうものしかつくれないと言ったほうが正確かもしれない。


内向型起業家の言語化は、未来の自分への手紙だ

わたくしは、毎日のように言葉を残す。  
スマホのメモ帳に書くこともあれば、パソコンに打ち込むこともある。  
その言葉たちは、未来のわたくしへの手紙だ。

「このとき、わたくしはこう考えていた」  
「この選択には、こういう理由があった」  
「この行動は、こういう構造の上に成り立っている」

未来のわたくしは、その手紙を読み返す。  
そして、迷ったときに道を思い出す。  
内向型起業家にとって、言語化とは未来の自分を救うための行為なのだ。


わたくしのキャラクターは、
静かで、粘り強く、風変わりというもの

わたくしは、社交的ではない。  
けれど、人の話を聞くのは好きだ。  
派手な場所は苦手だが、深夜の喫茶店のような静かな空間には妙に落ち着く。  
人から「変わっている」と言われることもあるが、わたくしはその言葉を悪い意味で受け取ったことはない。

変わっているというのは、構造、つまり考え方、捉え方、洞察の仕方、発想なんかが独特だということだ。  
独特な構造は、独特な価値を生む。  
わたくしは、その価値を事業に変えてきた。



行動の設計図として
の言語化は、
生き方そのものだ

わたくしは、これからも言葉を組み立てるだろう。  
そして、その言葉を設計図にして、静かに行動していくだろう。  
内向型起業家にとって、言語化は単なるスキルではない。  
それは、生き方であり、呼吸であり、未来をつくるための道具だ。

わたくしは、その道具を使って、これからも世界に静かな構造を渡していく。  
それが、わたくし杉本幸雄の人生であり、目的であり、性格であり、起業家としての宿命なのだと思う。