どん底から起業して成功する決め手は、主体性。(起業家コンサルタント杉本幸雄 )
わたくしはそれを、身をもって知っている。
どん底というのは、
案外静かな場所だ。
人はよく「どん底は苦しい」と言うけれど、わたくしが経験したそれは、むしろ水底のようにひっそりとしていて、音が吸い込まれていくような場所だった。
なぜなら、何もないし、手を差し伸べてくれる人も基本的にいないからだ。
自由が丘の高台で朝の空を眺める今の生活とは、まるで別世界だ。
20年前、
起業したばかりのわたくしは、何も持っていなかった。
子どもの頃から30年間以上続いていた、
どん底人生は、まさに周回遅れの世界。お金がないのはもちろん、健康、教養、あらゆる経験でも、普通の一般の人たちとの格差があまりにもあり、
やっと想いで、
大きなマイナスが人並みのマイナスになったくらいの程度だった。ただ、致命的なマイナスはしつこく現存していた。
起業当初、
資金も、コネも、才能もない。
あるのは、
静かで内向的で陰キャな性格と、妙にしぶとい生命力だけだった。
ただ、ひとつだけ確かなものがあった。
「自分の人生は、自分で引き受ける」という主体性だ。これは、思い起こすと、小学5年生の時には、明確にあった。
誰かに教わったわけではない。
どん底に沈んだとき、自然とそう思ったのだ。
「誰かが助けてくれるはずだ」という期待を発想することもなく、世界が急にシンプルになった。
やるべきことが、一本の線のように見えてきた。
わたくしはその線を、ただ黙々と歩いた。
コンサルティングのセッションを積み重ね、気づけば2万回を超えた。
毎日ブログを書き続け、16年が経った。
6冊の商業出版を出し、内向的な人たちのビジネスコミュニティを2つ、立ち上げた。
これらは、派手な才能の結果ではない。
主体性の、地味で静かな積み重ねの産物だ。
主体性とは、感情に振り回されないことでもある。
「今日は無理だ」と言えること。
「これはやらない」と決められること。
「わたくしはこう生きる」と選び続けること。
どん底から抜け出すとき、人は何か大きな力を求めがちだ。
けれど、わたくしが見つけたのは、もっと小さくて、もっと静かな力だった。
朝4時のブラックコーヒーのように、淡々としていて、
しかし確かに効くパワーだ。
主体性は、人生のハンドルを自分の手に掴んでいる状態。
これを握り続ける限り、どん底は終わる。
そして、起業は続く。
成功は、静かに積み上がる。
わたくしの人生目的は、「強くて優しい人を増やす」ことだ。
そのために、今日もまた、自由が丘の静かな空を見上げながら思う。
どん底から起業して成功する決め手は、やはり主体性なのだと。


