なぜ、コンサル指導では“言語化”から始めるのか  杉本幸雄


結論
言語化が整うと、9割のクライアントが「何をやるか」、自動的に決まり結果を出し始める  


はい、こんにちは
わたくしは長い間、それは20年間.ひとりで経営コンサル会社を続けてきた。  

自由が丘の高台を朝に歩き、ブラックコーヒーか静岡の高級緑茶を飲み、  
静かな部屋でクライアントの言葉を読み込む、そして聴く。考える。  

これが、仕事のほとんどだ。

派手なことは何もない。  
だけど、静かな仕事には静かな仕事なりの深さがある。  
とくに「言語化」という作業には、いつも不思議な力が宿っている。



事例
今日のセッションで起きたこと

昨日のクライアントは、30代半ばの男性起業家だった。  
事業の選択は悪くない。現状、数字も悪くない。  
ただ、本人の表情がどこか曇っていた。

「何をやればいいか、これでいいか、分からないんです」と彼は言った。  

その言葉は、
まるで曇った窓ガラスのようだった。  
向こう側に景色があるのに、見えない。  
そんな感じだ。


わたくしは
いつものように、椅子に深く腰をかけて、  
彼の話を静かに聞いた。  
話の内容よりも、言葉の粒の大きさや、  
文の間に落ちる沈黙のほうに耳を澄ませる。

しばらくして、わたくしは一つ質問をした。

「あなたが、“やらない”と決めていることを教えてくださいませんか???」


彼は、少し驚いた顔をした。  
でも、そこから言葉がゆっくりと出てきた。  
最初は曖昧過ぎだったが、やがて、一つの短い文に収束した。

「私は、みんなの期待を満たすための仕事はしない、しようとは想っていない」

その一行が整った瞬間、  
彼の表情がすっと晴れた。  
まるで曇りガラスをひと拭きしたように。



■言語化は、戦略の“静かな起点”になる

わたくし
はこれまで、数えきれないほどの起業家、経営者、起業家予備軍を見てきた。  
 
立場は違っても、迷う理由はだいたい同じ。


言語化が甘い。  

ただそれだけで、
戦略は必ずブレる。

逆に言えば、  
言語化が整えば、戦略は勝手に立ち上がる。  

“自動的に”決まっていく。

今日の彼もそうだった。  
たった一行の言語化が整っただけで、  
次にやるべきことが自然に決まり、  
その場で3つの具体的な行動が出てきた。

わたくしはそれを何度も見てきた。  
10年、15年、20年。  
静かな部屋で、言葉が整う瞬間を見届けてきた。



■なぜ、コンサル指導では“言語化”から始めるのか

理由は単純。

言語化は、戦略の精度を決めるからだ。

戦略は、外側の世界に向けてつくるものではない。  
まず、内側の世界を整える必要がある。  
そのための最初の作業が、言語化だ。

言語化とは、  
自分の中に散らばっている断片を拾い集め、  
ひとつの静かな文にまとめることだ。

その文が整うと、  
迷いが消え、  
意思決定が速くなり、  
行動が一点に収束する。

わたくしはそれを、  
クライアントの表情の変化として見てきた。  
肩の力が抜け、  
目の焦点が合い、  
呼吸が深くなる。

言語化は、  
人を静かに前へ進ませる。



■結論

言語化が整うと、  
9割のクライアントが「何をやるか」を自動的に決め、  
結果を出し始める。

戦略は、外側の世界でつくるものではない。  
静かな内側で、言語化を研ぐところから始まる。

そしてその作業は、  
いつだって一人の静かな時間から生まれる。